2012 Fiscal Year Annual Research Report
積層機能と光電変換機能を併せ持つ分子集積体の創製と特性評価
Project/Area Number |
23681025
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
羽會部 卓 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70418698)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ポルフィリン / 光エネルギー変換 / ナノチューブ |
Research Abstract |
本年度はまず昨年度合成に成功したコロネンテトライミドの分光及び電気化学特性を系統的に評価するために、各種ベンゾペリレン及びコロネン誘導体の合成に取り組んだ。具体的に電子吸引性基であるイミド基やエステル基の数が異なる誘導体を計9種類合成した。また、コロネンイミド体とドナー分子との連結体を合成するためにの反応条件の探索も進めた。一方、ポルフィリン集合体に関してはこれまでに亜鉛テトラピリジルポルフィリンZnP(Py)4によって構成される特異な六角柱型結晶特性を利用して中空構造を有するナノチューブ状棒状分子集合体作製と光エネルギー変換系への展開を行ってきた。本年度は新たにZnP(Py)4ナノチューブ(外層)の高い光捕集および酸化還元機能と内包されるPt/TiO2ナノ粒子の光触媒機能を組み合わせた新規なポルフィリンナノロッド[Pt/TiO2- ZnP(Py)4 nanorod]の作製を行い、光水素発生系への展開を行った。また、上記の系以外にもPaddle Wheel (PW) 型配位結合を利用し、ポルフィリンシートによって高次集積化した分子集合体や昨年度から引き続き行っているナノカーボン材料を用いた集合体系などについても集合体作製とエネルギー変換特性評価を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
六角柱構造を有するポルフィリン系分子集合体やポルフィリン/ナノカーボン(フラーレン・カーボンナノチューブ・グラフェン)複合分子集合体については集合体合成と物性評価は順調に進行している。一方、ベンゾペリレン及びコロネンイミド誘導体の合成展開については技術的に克服すべき課題が予想以上に多く、当初の予定より少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
六角柱構造を有するポルフィリン系分子集合体やポルフィリン/ナノカーボン複合分子集合体については大方集合体作製に成功し、特性評価まで行うことができた。最終年度はベンゾペリレン及びコロネンのイミド体の物性評価とドナー分子を導入した光エネルギー変換系まで当初の計画通り進める予定である。
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