2013 Fiscal Year Annual Research Report
積層機能と光電変換機能を併せ持つ分子集積体の創製と特性評価
Project/Area Number |
23681025
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
羽會部 卓 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70418698)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | コロネン / ベンゾペリレン / ポルフィリン / 光エネルギー変換 |
Research Abstract |
本年度は光エネルギー変換機能を有する分子集合体構築へ向けて多環芳香族炭化水素に着目した。コロネンに代表される平面型多環芳香族炭化水素はπ電子共役に起因する特徴的な光・電子物性と積層型集合体特性を有するため、電子デバイス等への応用展開が期待できる。通常、多環芳香族炭化水素は電子ドナー性を有するが、骨格にイミド基等の電子求引基を導入することにより、電子アクセプター性が高まる。そこで、本研究ではコロネンおよびベンゾ[ghi]ペリレン誘導体の電子求引基の種類・数・導入位置などに着目しながら、系統的な電子アクセプター分子の物性評価を行った。さらに、良好なアクセプター性が期待されるコロネンテトライミド (CorTIm) を用いて、電子ドナー分子との組み合わせによる光誘起電子移動系への展開を試みた。紫外可視吸収スペクトル測定では無置換のベンゾ[ghi]ペリレンと比較して置換基の導入により吸収波長の長波長化および0-0遷移に対応するピークの増大が観測された 。次に、各化合物の電子アクセプター性をサイクリックボルタンメトリーにより評価した。電子求引基の導入するにしたがって第一還元電位の段階的な正へのシフトとイミド基の数に応じた可逆な酸化還元波が観測された。さらに、各化合物の光ダイナミクスを検討するために蛍光および項間交差の量子収率と蛍光寿命測定から各光物理過程の速度定数を算出した。その結果、イミド基の導入により蛍光放射速度定数が1桁ないしは2桁程度増大した。これは上述の0-0遷移の吸収ピークのモル吸光係数εの増大と関連している。一方で、項間交差速度定数の増大も確認されたことから、カルボニル基の導入によりスピン-軌道相互作用が促進されていることが示唆される。本研究では、最後にポルフィリンをドナー分子として共有及び非共有結合を駆動力とするドナー/アクセプター集積体の構築に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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