2011 Fiscal Year Annual Research Report
脆弱なバイオ材料に適用可能なファブリケーション技術の開発と細胞組織工学への展開
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23681027
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶 弘和 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70431525)
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Keywords | バイオファブリケーション / 生体材料 / マイクロ・ナノデバイス / 細胞・組織 |
Research Abstract |
マイクロ流路内に作製したPC12神経細胞の培養系を用いて、パーキンソン病のin vitroモデルの構築を検討した。マイクロ流路内に神経細胞のアポトーシスを誘発する6-hydroxydopamine (6-OHDA)の長領域濃度勾配を迅速形成し、PC12神経細胞の挙動を解析した。低濃度の6-OHDA領域 (260 uM以下)においては、主にアポトーシスによる細胞死が観察され、高濃度の6-OHDA領域では、ネクロースによる細胞死が認められた。本手法は、高効率で神経細胞のアポトーシスを誘導する条件を迅速・簡便に見出すことができるため、ハイスループットな薬剤スクリーニングへの寄与が期待される。 異なる種類のマイクロゲルの誘導集積と局所除去により、ポーラス構造を作り込んだ3次元組織構造体の構築を検討した。液膜中でマイクロゲル間に働くキャピラリーフォースを利用して、基板上でマイクロゲルを迅速に集合させて2次元クラスター構造を作製し、これを逐次積層することで3次元構造体を作製した。さらに、構造体内のアルギン酸マイクロゲルを三リン酸ペンタナトリウムで除去し、ポーラス構造を付与した。この方法を用いて、細胞を包埋したマイクロゲルで3次元構造体を作製し、ポーラス構造が高い細胞生存率の維持に有用であることを示した。今後、ポーラス構造の精密化や3次元的な共培養系の構築が期待される。基板表面に形成した新疎水パターンを利用して、微小液滴の形状制御を検討した。有限要素法シミュレーションにより、親水性領域の形状から液滴の形状を予測することが可能であった。細胞懸濁液で形状を制御した液滴を作ることで、基板表面上およびマイクロウェルアレイ内に容易に細胞をパターニングすることができた。また、ハイドロゲルのプレポリマーで形状を制御した液滴を作製し、これを光架橋することで、3次元的なマイクロゲルの形状制御も可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の影響で一時研究がストップし、また、備品等の納入にも遅れが生じたが、出来る限り代替法や代替品を用いて対応できたため、おおむね順調に研究が進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
東日本大震災の影響は未だ少なからず残っているが、24年度内には必要な研究環境の復旧にめどがついており、現時点では、大幅な研究計画の変更は考えていない。
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Research Products
(11 results)