2013 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導体コヒーレントテラヘルツ光源の実証と実用化
Project/Area Number |
23681030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
掛谷 一弘 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80302389)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 固有ジョセフソン接合 / テラヘルツ光源 / Bi2212 / 同期現象 / ジョセフソン効果 |
Research Abstract |
平成25年度の研究では、平成24年度までに構築した実験装置を用いて、高温超伝導テラヘルツ光源に関する以下の特性を明らかにした。 (1)Pb置換Bi2212単結晶から作製した素子からの発振検出と分光:高温超伝導テラヘルツ光源の発振強度は固有ジョセフソン接合の最大電流の2乗に比例するという計算結果がある。我々は、最大ジョセフソン電流だけが大きく、その他の特性に大きな変化のないPb置換Bi2212単結晶からテラヘルツ素子を作製し、発振を検出することに成功した。発振は、バイアス電流の低い領域で観測され、発振強度はBi2212単結晶からの素子よりも若干強い値を得た。FT/IR分光器で発振スペクトルを測定したところ、0.7 THz付近にスペクトルを観測した。この周波数は、Bi2212における過去の結果を踏まえた素子幅から予測される周波数0.4 THzよりかなり大きい。これについては2つの可能性が考えられる。一つはPb置換により屈折率が2倍程度になることであるが、過去の誘電関数の測定からは、それを支持する結果はえられていない。もう一つは、短辺幅が1波長に相当するモードが素子内部で励起されて発振をもたらしている可能性である。これについては、今後実験で確かめていく。 (2)テラヘルツ時間領域分光系の構築:高温超伝導テラヘルツ光源がコヒーレントであることを実証するために、発振電場の時間発展の計測を試みている。そのために、テラヘルツ時間領域分光システムを構築し、光伝導アンテナからのテラヘルツパルス電場を観測することに成功した。今後は、本測定システムによって高温超伝導テラヘルツ光源の電場波形を観測することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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