2011 Fiscal Year Annual Research Report
高度な技能を要する目視検査の技能伝承システムの構築
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23681034
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
志田 敬介 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (40365028)
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Keywords | 目視検査 / 技能伝承 |
Research Abstract |
実際の目視検査では、作業者の動作と眼球運動の異なる運動を高度に融合することが必要で、それを習得できた作業者のみが熟練作業者となりうる。また、それは単に経験を重ねるだけでは習得できない所に、目視検査の技能伝承の難しさがある。本年は、その技能の解明に向け、作業者の動作と眼球運動を協業作業と捉え、実際の作業現場において熟練作業者の作業を計測し、目視検査に関する新たな知見の提案を試みた。特に、作業中の姿勢として、作業者の頭部運動が欠点検出に及ぼす影響について実態調査を行い、実験室において、調査結果の検証実験を行った。 実態調査の結果、頭部を注視位置の中心に移動させながら検査する方法(頭部移動方法)と頭部を製品の中心に固定させながら検査する方法(頭部固定方法)の2種類の検査方法が観察され,これらの相違が欠点検出率に及ぼす可能性が示唆された。 そこで、実験室において両者の検査方法をモデル化した実験を行った結果、検査方法を要因としてt検定を行ったところ1%水準で有意差[t(19)=3.39]が認められ、欠点検出率は頭部固定検査方法が頭部移動検査方法と比較して高い結果となった。 本結果に対する考察は以下の通りで、頭部固定方法は,頭部移動方法と比較して、サッケード時間が短く、停留点回数が少ないことから正味の検査時間であたる停留に時間が長くなり、欠点検出率が高くなったと考えられる。つまり、目視検査においては、可能な限り頭部は固定して検査すべきであるとの知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度購入した実験装置の稼動も本格化し、今後、身体動作と眼球運動について統合的な検討を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
身体動作と眼球運動を統合的に捉え、それらが欠点の検出に及ぼす影響について検討を深める。特に、三次元動作解析装置を利用し、作業者の動作と欠点検出率との因果関係を実験を通じて明確にする予定で、検査対象物のモデル化を今年度前半に完了させ、後半に実験とデータ解析を実施する予定である。
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