2012 Fiscal Year Annual Research Report
シンセティックバイオロジーを活用した細胞機能制御技術の開発
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23681042
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齊藤 博英 京都大学, 白眉センター, 准教授 (20423014)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | RNA / 合成生物学 / 翻訳 / RNP / バイオエンジニアリング / 遺伝子回路 / 細胞分化 / 遺伝子スイッチ |
Research Abstract |
細胞機能を自在に制御する人工生体分子複合体や人工システムを創成することは、シンセティック・バイオロジー分野の研究目標の一つである。しかしながら、機能性分子のデザイン研究は端緒についたばかりであり、設計された分子やシステムが目的の挙動を示さない場合が多い。従って、機能性分子のデザインのための新しい戦略・技術の開発が期待されている。 本研究では、生体内で多彩な機能を担うRNA-タンパク質複合体(RNP)をデザイン・創製する方法を活用し、細胞の機能や運命を自在に制御できる技術を開発する。具体的には、以下2つの課題の達成を目指す。 (1) RNP相互作用に基づいた新しい遺伝子発現制御システム (RNPスイッチ)の確立、(2) RNPスイッチを活用した細胞運命制御システムの構築。以上の研究から、特定の細胞で発現する標的因子に応答して、その細胞機能・運命を自在に制御できる技術を確立する。 本年度は、標的タンパク質に結合するRNAアプタマーのmRNA上での位置と数を制御することで、入力因子に応じて複数のmRNAからの翻訳量を特異的かつ定量制御できる新技術開発に成功した (Endo K et al; Nucleic Acids Res., in press)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、研究目的に記載した、RNA-タンパク質相互作用に基づいた定量的な翻訳制御システムの開発に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
基盤技術としての開発に成功したRNAON/OFFスイッチ技術を活用し、標的細胞の運命制御システムへ展開し、本年度特許申請及び論文報告を目指す。
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