2013 Fiscal Year Annual Research Report
シンセティックバイオロジーを活用した細胞機能制御技術の開発
Project/Area Number |
23681042
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齊藤 博英 京都大学, 白眉センター, 准教授 (20423014)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 合成生物学 / RNA / 翻訳 / RNP / バイオエンジニアリング |
Research Abstract |
細胞機能を自在に制御する人工生体分子やシステムを創成することは、シンセティック・バイオロジー分野の研究目標の一つである。本研究では、生体内で多彩な機能を担うRNA-タンパク質複合体(RNP)を人工的にデザイン・作成する方法を活用し、細胞内状態に応じて遺伝子発現や細胞機能を制御できる新技術を開発することを目指した。本年度は、RNAによる遺伝子操作技術を拡張するため、これまでに作成に成功したRNAによる翻訳制御型OFF スイッチをONスイッチに自在に変換できる、「RNAインバータ」を開発、論文発表することを目指し、その目的を達成した (Nature Communications, 4:2393,2013)。今回我々は、簡便にRNAスイッチの性能を調節・反転する手法を開発し、それを実現する人工RNAからなる部品を「RNAインバータモジュール」と名づけた。開発したRNAインバータは、RNAスイッチの機能をOFFからONへ、その検出物質への特異性や感度を維持したまま自在に変換できる。このRNAインバータを挿入した人工mRNAは、細胞内で標的となる因子が発現していない場合、ナンセンス変異依存mRNA分解機構 (NMD)という現象により、速やかに分解される。ここで標的因子が発現すると、人工mRNAは標的に結合し(検出)、その結合に応じてNMDが抑制されることでmRNAが安定化され(判断)、目的とする外来遺伝子の翻訳を活性化する(実行)。また、これまでの技術では、一つの因子で複数の遺伝子の発現を同時、かつ独立に制御することは困難であった。今回の方法では、mRNA 1分子内の改変で、スイッチの性能を調整したり、機能を反転させたりすることができる。したがって、1つの制御因子が複数の外来遺伝子発現のON・OFFを個別かつ同時に制御することができるようになった。さらに、RNAとタンパク質からなるナノ構造体を用いた標的細胞検出、遺伝子発現制御技術を新たに開発することを目指し、その目的を達成した(論文投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(30 results)