2012 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドゲノムを用いた難培養細菌ファイトプラズマの培養系の確立
Project/Area Number |
23681043
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
柿澤 茂行 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (10588669)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | ゲノム |
Research Abstract |
クローニング・ストラテジーの確立 昨年度、難培養細菌ファイトプラズマゲノムを酵母においてクローニングするストラテジーの確立を目指し、ベクターの追加調査を行ってきた。本年度はさらに詳細な調査および検討を行った。新たに検討したベクターは、これまでのベクターと同様に酵母においては環状のゲノムとして保持されるように設計されているが、形質転換時における偽陽性クローンが得られにくいように設計されている。このベクターを使うことでクローニング効率が大幅に改善されることを確認した。この手法を用いることで、難培養細菌ファイトプラズマのゲノムを酵母においてクローニングするストラテジーを確立した。 大規模ゲノムクローニングを確認する系の確立 加えて、大規模なゲノム断片のクローニングに成功したかどうかを確認する必要がある。これにはマルチプレックスPCRが最適であろうと考えられるため、この系の確立を試みた。ファイトプラズマゲノムの複数の領域に対してプライマーを設計し、これを混ぜ合わせ、1つのPCR反応で9断片(9ゲノム領域)を増幅することができる系を確立した。プライマーは、全ゲノム内に1コピーのみ存在する遺伝子に対して設計する必要があり、プライマー同士のアニーリングおよびプライマー内のセルフアニーリングを防ぐ必要があるため、詳細な解析が必要であった。これにより、数百kbpの断片のクローニングに成功したかどうかを1チューブ、1PCRリアクションで確認することができる。この系により、ゲノムクローニングの実験が速やかに進展するものと考えられる。加えて、確立したマルチプレックスPCRの手法を応用することで、ファイトプラズマ感染植物中のファイトプラズマ系統の簡易判別を行うことができることが判明したため、このストラテジーの確立も行い諸学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
難培養細菌ファイトプラズマの全ゲノムをクローニングする系を確立し、加えてマルチプレックスPCRの系も確立した。また、マルチプレックスPCRを用いた簡易系統判別の系も確立した。研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き研究を推進し、全ゲノムクローニングおよびハイブリッドゲノムの作製に向けて推進する方策である。マルチプレックスPCRを用いた簡易系統判別の系については迅速に論文発表する予定である。
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