2011 Fiscal Year Annual Research Report
海洋シアノバクテリア由来マクロリドの統一的全合成と包括的構造活性相関解析
Project/Area Number |
23681045
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
不破 春彦 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (90359638)
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Keywords | 海洋天然物 / マクロリド / 全合成 / 構造活性相関 / 細胞増殖阻害 |
Research Abstract |
(1) ネオペルトリドはジャマイカ沖深海に棲息するNeopeltidae科海綿より微量成分として単離された14員環マクロリド天然物であり,数種のヒトがん細胞に対し極低濃度で増殖阻害活性を示すほか,ミトコンドリアcomplex IIIに特異的に結合して酸化的リン酸化を阻害することが報告されている。本研究者は,オレフィンメタセシス反応とエステル化反応を駆使した,収束的かつ効率的なネオペルトリドの全合成法を開発した。本年度は天然物及び類縁体のスケーラブルな合成供給法を確立すべく,合成初期段階の不斉中心の構築には長尾アルドール反応が最適であることを見出したほか,閉環メタセシス反応による14員環マクロリド骨格の構築においては,二重結合の置換基を適切に選択することで高希釈条件を必要としない実践的な方法を開発した。以上の全合成法の最適化の後,天然物と匹敵する強力な細胞増殖阻害活性を示す類縁体8,9-デヒドロネオペルトリドの16種類の立体異性体をパラレルに合成し,立体構造活性相関を包括的に解析した。その結果,ネオペルトリドのマクロラクトン骨格部分の構造活性相関を完全に明らかにすることに成功し,複雑天然物の構造活性相関解析における不斉中心の重要性を示した。 (2) リングビヤロシドBはパラオで採取したシアノバクテリアLyngbya種から微量成分として単離された14員環マクロリド天然物で,ヒト口腔がん細胞KBに対し中程度の細胞毒性を示す。本年度は本天然物の大環状骨格の構築を種々の合成戦略で試みたが,第三級アルコールの分子間及び分子内アシル化が想定以上に困難を極めた。最終的にHoyeらがモデル系で報告した分子内アシルケテン環化反応が最適であることを見出した。一方,全合成終盤のブロモジエン側鎖の導入やグリコシル化反応の検討を兼ね,13-デメチル類縁体の全合成研究も並行して実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネオペルトリドの大環状骨格の構造活性相関を包括的に解明できた点は大きな成果であり,次年度以降は構造単純化類縁体の合理的な創出へと展開できるものと期待できる。また,リングビヤロシドBの大環状骨格構築法の目処が立ったほか,全合成終盤の変換反応に関する知見も集積しつつあり,本天然物の全合成に向けて着実に成果をあげている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずネオペルトリドのオキサゾール含有側鎖の構造活性相関解析を実施し,本天然物の構造活性相関の完全解明を目指す。これにより高活性構造単純化類縁体の合理的な創出が可能になると期待される。さらに,本天然物及び類縁体の化合物評価を実施し,作用機序解析や標的分子探索へと繋げるための基礎的な知見を集積する。また,リングビヤロシドB及び13-デメチル類縁体を全合成し,構造確認及び化合物評価を実施する。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Comparative cytotoxicity of gambierol versus other marine neurotoxins2011
Author(s)
E. Cagide, M. C. Louzao, B. Espina, I. R. Ares, M. R. Vieytes, M. Sasaki, H. Fuwa, C. Tsukano, Y. Konno, M. Yotsu-Yamashita, L. A. Paquette, T. Yasumoto, L. M. Botana
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Journal Title
Chem. Res. Toxicol
Volume: 24
Pages: 835–842
DOI
Peer Reviewed
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