2014 Fiscal Year Annual Research Report
共生器官の選択的機能阻害による害虫制御技術の基盤研究
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23681050
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
土田 努 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 准教授 (60513398)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | タバココナジラミ / 共生細菌 / 菌細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
農業害虫、衛生害虫として知られる昆虫の多くは、特定の微生物との間に密接な共生関係を築いており、微生物の持つ特殊な代謝機能に生存を委ねてしまっているものも存在する。タバココナジラミは、腹部体腔内に“菌細胞”と呼ばれる肥大化した細胞を持ち、その細胞質内に必須の共生細菌を住まわせている。この必須の共生関係を成立させている菌細胞の分子基盤を詳細に明らかにすることで、タバココナジラミにのみ選択的に効き、環境被害の少ない防除法の開発につながることが期待できる。本研究課題では、近年急速な発展を遂げた遺伝子解析技術を用いて、共生器官で機能する蛋白質とその機能を網羅的に解析した。これまでに、菌細胞内における共生細菌の空間分布や共生細菌のゲノム解析により、本種では2種類の共生細菌が同一菌細胞内に存在し、小胞体膜を隔てて棲み分けており、2種の共生細菌が必須アミノ酸の合成にかかわっていることを明らかにした。また、次世代シーケンサーを用いたRNA-seq解析ならびに定量PCRにより、本種の菌細胞発現遺伝子プロファイルは、これまでに報告のあるアブラムシやゾウムシなどが発現する遺伝子群とは大きく異なっており、菌細胞の進化を考察する上できわめて興味深いものであることが示された。菌細胞特異的発現遺伝子として、微生物との相互作用に機能することが期待されるペルオキシダーゼ様遺伝子、菌細胞の細胞骨格形成や小胞輸送に関与すると思われるADP-ribosylation factor6に高い相同性を示す遺伝子等が含まれていた。得られた遺伝子群の部分配列の中には、データベース上に相同性を示すものが存在しなかったものの、7回膜貫通型の受容体のドメインを持つ遺伝子群等が見つかった。また、研究のスピンオフとして、タバココナジラミの日本集団の遺伝型および共生細菌保有状況を明らかにした。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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