2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23682002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
土屋 貴裕 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部・調査研究課・絵画・彫刻室, 研究員 (40509163)
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Keywords | 絵巻 / 日本美術史 / 日本文化史 / データベース |
Research Abstract |
本研究は、絵巻の研究を従来顧みられることのなかった伝来や鑑賞歴といった作品の付属情報から捉え直し、推進する。研究にあたっては、絵巻の伝来、鑑賞歴に関わる情報を収集・蓄積した上で、絵巻が今日に至るまでにどのような軌跡を経て伝世したのかという、各作品の通時的な歴史性に配慮し、絵巻という媒体全体を視野に入れた総合的な分析を行うことを最終的な目標として設定する研究開始年度の本年度は、絵巻の伝来、鑑賞歴といった情報を収集するため、おおむね以下の三点に沿ってデータ収集を進めた。 (1)文献資料記載絵巻関係資料の抜き出しとデータ化 本研究が主な対象とする古代中世絵巻の伝来、鑑賞情報を得るためには、日記、古記録等の文献資料を博捜し、そこに記載された本文を整理する必要がある。抜き出しにあたっては、絵巻のみならず仏画、肖像画、屏風等、絵画関係の記事をピックアップし、本年度はおよそ40タイトルの文献資料から約400件の記事を抜き出し、データ化した。 (2)東京国立博物館所蔵絵巻模本の調査準備 絵巻模本の多くは近世に作られたが、その制作に際して、所蔵者や伝来等の情報が記されている場合がままある。本研究では、東京国立博物館所蔵絵巻模本の悉皆調査を目指し、目録の整理、撮影、所蔵者や伝来、模写者等の情報を収集すべく、模本リストの整理に着手した。 (3)売立目録の調査 (1)と(2)が前近代における絵巻情報の収集と整理であるのに対し、近代における作品の移動等を追うため、売立目録に記載された絵巻の調査を進めた。とりわけ、東京文化財研究所には国内有数の売立目録が所蔵されており、その全てから、絵巻を中心とするやまと絵の情報を抜き出し、PDF化を進める準備を整えた。本年度は150件ほどの目録から110点の情報を抜き出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的は、計画に沿い順調に進展している。加えて、代表者の研究機関の異動により、当初の計画にはなかった東京国立博物館所蔵近世絵巻模本の調査研究に着手したことは、より充実した伝来情報収集のため特筆される点といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、研究計画に沿いつつ、研究を推進していく。さらなる研究深化のため、計画時に協力をお願いした研究協力者以外の研究者にも協力を要請し、作品調査などを進めていきたい。
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Research Products
(4 results)