2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23683002
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
安田 洋祐 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (70463966)
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Keywords | オークション / ゲーム理論 / ミクロ経済理論 / 市場競争 / 制度設計 |
Research Abstract |
本研究では、免許・営業権(ライセンス)や検索連動型広告のオークションなどに代表される、新しいオークション制度が市場競争へ与える影響を、ゲーム理論や産業組織論の分析ツールを用いて、様々な視点から理論的に分析している。 平成23年度は、すでにYasuda(2006)"The 40% Handicap Auction"(mimeo)によって基礎的な結果を得ている、ライセンスの配分が市場競争に直接影響を与えるような状況における、効率的なオークション設計について中心的に検討を行った。国内のセミナー報告から得られたフィードバックなどを通じ新たに理論的成果が得られ、大きく研究が前進した。具体的には、すでに得ていた望ましいオークションの仕組みについて、数値計算を使わずにその頑健性を示すことのできる、複数の新しい方法を発見した。これらの手法は、本研究を単なる理論的検討にとどめることなく、現実的な政策提言へとつなげるための重要な肯定的な結果である。 平成24年1月からは、東京大学の松島斉教授を代表とする研究・提言組織「オークション・マーケットデザイン・フォーラム」に積極的に参画し、我が国で導入が予定されている第四世代携帯電話の周波数オークションの具体的なデザインについて調査・研究を行っている。これは当初の研究計画には記載されていないが、本研究課題との関連性が強く、極めて政策的重要度の高い活動であることから、従来の研究計画に若干の遅れが生じる危険性を承知で優先的に取り組んだ。技術方式の中立性を保ち、効率的な電波の配分を可能にするパッケージ入札の仕組みを提案している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ライセンスオークションについてはほぼ計画通りに研究が進んでいるものの、「オークション・マーケットデザイン・フォーラム」で現実の周波数オークションの設計問題に優先的に取り組んでいたため、検索連動型広告など、他のオークション市場については目立った成果があがっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の成果を踏まえ、平成24年度はまずライセンスオークションに関する成果を研究論文の形でまとめていく。その他のオークション市場については、できる範囲で検討を進めていく。ただし、政策的重要度がきわめて高い現実の周波数オークションの設計について、少なくとも年度の前半は注力していく予定である。
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Research Products
(6 results)