2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23683002
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
安田 洋祐 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (70463966)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | オークション / ゲーム理論 / ミクロ経済理論 / 市場競争 / 制度設計 |
Research Abstract |
本研究では、免許・営業権(ライセンス)や検索連動型広告のオークションなどに代表される、新しいオークション制度が市場競争へ与える影響を、ゲーム理論や産業組織論の分析ツールを用いて、様々な視点から理論的に分析している。平成24年度は、平成23年度に既に得ていたライセンスオークション研究に関する分析上のアイデアをさらに深め改善するとともに、論文としてまとめることを中心に行った。 平成24年1月から参画している、東京大学の松島斉教授を代表とする研究・提言組織「オークション・マーケットデザインフォーラム」では、引き続き調査・研究活動に取り組んだ。具体的には、我が国で導入が予定されていた第四世代携帯電話の周波数オークションのデザインや、羽田空港の新滑走路の離発着スロットの配分方法などについて、経済理論および現実の制度的な要因の両面から、参加メンバーと共に政策提言に繋がる分析を行った。これらは、本研究課題との関連性が強く、極めて政策的重要度の高い活動であることから、従来の研究計画に若干の遅れが生じる危険性を承知で優先的に取り組んだものである。 平成24年12月には、第一回GRIPSマーケットデザイン・ワークショップを開催し、国内外で活躍する日本人研究者が、制度設計に関する最先端の学術研究を報告した。全6本の報告は、いずれもマッチングの制度設計に関するもので、本研究課題のテーマであるオークション設計を直接は扱っていない。しかし、両者の発想や数学的な構造には強い類似性があることが知られており、大変有益なワークショップとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ライセンスオークションについて、盛り込むべき結果は出そろっているが、まだ完全には論文の改訂が終わっていない。また、「オークション・マーケットデザインフォーラム」で現実の周波数オークションの設計問題に優先的に取り組んでいたため、他のオークション市場については目立った成果があがっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度までの成果を踏まえ、平成25年度はライセンスオークションに関する成果を一刻も早く研究論文の形でまとめる。その他のオークション市場については、できる範囲で検討を進めていく。
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Research Products
(4 results)