2011 Fiscal Year Annual Research Report
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23684013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅岡 陽一 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (40345054)
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Keywords | ニュートリノ / Ashra / チェレンコフ光 / PeV |
Research Abstract |
本研究の目的は、角度決定精度に優れたAshra検出器を用いて、大気チェレンコフ法による超高エネルギー宇宙線加速源からのタウニュートリノ観測を高効率で行い、世界初の超高エネルギータウニュートリノ発見を目指すことである。超高エネルギー宇宙線加速源候補天体からのニュートリノ検出は、加速メカニズム解明に決定的な役割を果たす。本研究では、2008年-2009年に行われたコミッショニング観測結果を詳細に解析し理解した経験に基づき、大質量を有する山・地殻をニュートリノ標的として使用するユニークな検出方法で、10~100PeVにて最高の点源感度達成を狙う。 本年度は、共同研究者によって開発・製作された、本格的トリガー読み出し系のマウナケア向き集光器へのインストールを行った。トリガーピクセルの数は増加させられていないため、全視野を覆うことはできていないが、電子回路ノイズ低減、読み出し系の高速化等によって可能となった低トリガー閾値化が達成された。これにより、特に10PeV付近の低エネルギー側で、2008年-2009年に行ったコミッショニング観測と比較して10倍近い感度向上が見積られている。インストール後には本システムの調整を行い、2012年1月よりマウナケア向きの集光器で観測を開始した。このアップグレードに伴い、調整、モニター、観測時に必須であった視野監視用の高速モノクロCCDカメラを購入し現地にインストールした。また、インストールしたトリガー撮像系の調整・テストを実施し、観測を行うために必須であった現地レンタカー代、観測サイト電気代等に本補助金を使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トリガーピクセルの数が増加していないものの、計画していた測定器のアップグレードを行って感度を向上させ、観測を開始することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
観測及び装置較正、データ解析のためにプロジェクト研究員を雇用し、本研究課題を推進してゆく。
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