2011 Fiscal Year Annual Research Report
ビッグバン以前の宇宙を探る科学衛星に向けた小型地上観測実験GroundBIRD
Project/Area Number |
23684017
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
田島 治 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80391704)
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Keywords | インフレーション宇宙 / 宇宙マイクロ波背景放射 |
Research Abstract |
インフレーション宇宙の検証は宇宙論最大の課題である。本研究の究極目標はインフレーションの直接証拠となる原始重力波の検出である。その最良の方法は、原始重力波による時空の歪みによって、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)偏光分布に生成される渦パターン「Bモード」を検出することである。本研究は「小型地上観測実験装置を完成させ、Bモードの発見をめざし」、将来その精密測定からさらなる詳細研究をおこなうための「将来科学衛星実験に向けたテクノロジーを確立する」ことを目的とする。従来実験にはない独自のアイデアで、CMB偏光Bモード観測で世界の最前線に踊りだす! 小型地上観測実験Ground BIRDの実験装置を完成させ、物理観測へ向けた国内でのテスト観測を行なう。独自のアイデアで、小型ながらも従来実験を凌駕する性能を達成する。特に、非接触型高速回転スキャンの実現により、1/fノイズの影響を除去して検出器性能を100%引き出し、地上実験最大の観測領域を達成する。 実験装置をユニット化することにより効率的に開発を進める。本研究では実験成功の鍵となる高速回転スキャンユニットの開発を中心に開発をすすめ、続いて、コンパクトに検出器を実装する小型クライオスタットの開発、最終年度には装置全体を組み上げ、完成させる。そして、国内でのテスト観測により問題の洗い出し、改善をして、研究期間(3年)後の物理観測に向けた完成度を確認する。なお、本研究でカバーしていない部分の開発は、既に共同研究者と共に別予算にて開発を開始している。 平成23年度は高速回転スキャンユニットの開発に専念する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、高速回転スキャンユニットの中核となる回転ステージの試作が出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に製作したコンポーネントの性能評価を個別におこなう。必要ならば、改善を施す。 簡略化したシステムをインテグレーションし、国内でのテスト観測を行う。
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