2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23684019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 倫久 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (00376493)
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Keywords | 半導体物性 / メゾスコピック系 / 量子細線 / 量子ドット / 量子情報 |
Research Abstract |
(1)遠く離れた量子ドット間のコヒーレントな単一電子輸送 表面弾性波(SAW)を用いて、遠く離れた量子ドット間で単一電子をコヒーレントに移送する技術の開発に成功し、移送効率が90%以上であることを確認した。移送中の電子を周囲の電子から隔離していることや移送にかかる時間が短いことから、単一電子スピンの量子情報を保ったまま高効率で移送できていると考えられる。また、量子ドット中の量子もつれ状態の2電子を分離し、1電子だけを離れた量子ドットへと移送することにも成功した。これは、量子情報処理において重要な非局所量子もつれ状態の生成に相当する。 (2)飛行量子ビットの多量子ビット化とベルの不等式の破れの検証 単一電子レベルでの飛行電荷量子ビット制御を目指し、そのセットアップを進めた。(1)で示した研究によって開発が完了しているSAWの技術に加え、電子ポンプの技術の立ち上げを行い、単一電子ポンプに成功した。これを飛行量子ビットの制御系と組み合わせた実験は現在も進行中である。 (3)飛行量子ビットと近藤効果 飛行量子ビットの制御系(干渉計)と近藤状態にある量子ドットとの間に量子もつれを生み出すことによって近藤状態における量子ドットを通過する電子の伝播位相や近藤雲の広がりに関する情報が得られることを考え、これを新たなテーマに加えて実験に着手した。今年度は伝播位相の測定を行い、理論で予測されているように、近藤谷で位相がpi/2で固定される様子を観測した。これは、近藤一重項状態の直接的な証明とされる新しい重要な結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
遠く離れた量子ドット間の単一電子の移送の実験が予想以上に順調に進み、予定をはるかに超えて当初は最終年度に行う予定であった非局所量子もつれの生成と思われる結果まで得ている。飛行電荷量子ビットに関しては、電子ポンプなどの開発が順調に進んだ他、当初の予定にはなかった近藤効果と組み合わせた研究にも取り組み、学術的に非常に重要な結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
H23年度は当初の予定より順調に進んだため、予定された内容に加えて新たにテーマを加えつつ、関連する物理の考察を深めていきたい。
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[Journal Article] Stacking-order dependent transport properties of trilayer graphene2011
Author(s)
S.H.Jhang, M.F.Craciun, S.Schmidmeier, S.Tokumitsu, S.Russo, M.Yamamoto, Y.Skourski, J.Wosnitza, S.Tarucha, J.Eroms, C.Strunk
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 84
Pages: 161408(RC)
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 表面弾性波を用いた離れた量子ドット間の単一電子移送2012
Author(s)
山本倫久, Sylvain Hermelin, 高田真太郎, 樽茶清悟, Andreas D.Wieck, Laurent Saminadayar, Christopher Baeuerle, Tristan Meunier
Organizer
日本物理学会
Place of Presentation
関西学院大学
Year and Date
2012-03-27
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[Presentation] 3層グラフェンにおける輸送現象の積層構造依存性2011
Author(s)
徳光晋太朗, S.H.Jhang, M.F.Craciun, S.Schmidmeier, S.Russo, 山本倫久, Y.Skourski, J.Wosnitza, C.Strunk, 樽茶清悟
Organizer
日本物理学会秋季大会
Place of Presentation
富山大学
Year and Date
2011-09-22
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