2013 Fiscal Year Annual Research Report
様々な外部環境下における有機化合物へのキャリア注入と新奇物性の探索
Project/Area Number |
23684028
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
堀場 律子 (江口 律子) 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (50415098)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 芳香族化合物 / 電界効果キャリアドーピング / 超伝導 |
Research Abstract |
本研究では有機化合物を用いた電界効果キャリア注入を様々な外部環境下で行うことにより、これまで見いだされなかった新しい物性を発見しコントロールすることを目的としている。本年度では初年度に立ち上げた高真空プローバー伝導特性測定装置を用いて、引き続き芳香族有機薄膜および単結晶の電界効果トランジスタ(FET)特性を調べた。 これまでに有機薄膜・単結晶の材料として、ベンゼン環が5つジグザグに連なったピセン、6つの[6]フェナセン、7つの[7]フェナセンを用いてきた。[6]フェナセンの薄膜FET(SiO2/Si基板)では、薄膜FETでの世界最高記録の移動度(~8 cm2/V-s)に迫る7.4 cm2/V-sの高移動度を達成し、この結果については論文(Phys. Chem. Chem. Phys.)に発表した。本年度ではピセンの長軸の両端にアルキル鎖を修飾した分子や、ベンゼン環を増やした[8]フェナセンといった新しい分子を使ったFETを作製し、さらに高移動度のFET特性(~20 cm2/V-s)が観測されることを確認した。 また、本研究では電子蓄積による動作(nチャネル動作)を達成することを目的の一つとして挙げている。多数キャリアを蓄積できる電気二重層を利用したイオン液体ゲートFETを作製しnチャネル動作を確認したが、電子蓄積による金属的な伝導や超伝導の観測するためにはさらなるキャリア蓄積が必要であるとの結論を得た。 電圧印加下の有機薄膜の電子状態を観測するために、放射光を用いた軟X線発光分光測定を行い炭素1s内殻レベルからの発光を調べた。ゲート電圧のON/OFFにより電子状態の違いが観測されるものと予想したが、シグナル強度が非常に微小であり明確な変化は観測されなかった。シグナルをより観測しやすいFETデバイス試料を作製し、測定条件を改善することで電子状態の変化を観測できるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)