2014 Fiscal Year Annual Research Report
スピンギャップ磁性体におけるランダムネスが誘起するボース粒子の局在化
Project/Area Number |
23684029
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
真中 浩貴 鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (80359984)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 試料作製 / 複屈折測定 / 電子スピン共鳴 / 強磁場磁化過程 / チューブ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で主に対象にした化合物IPA-CuCl3とIPA-CuBr3との混晶系IPA-Cu(ClxBr1-x)3について, 主に中間濃度領域における磁気状態を明かにするため, 作製した試料の中から2次元イメージング複屈折装置より高品質な単相試料を抽出した。その試料を用いて強磁場中での磁化測定を行いスピンフロップが2-3 Tで起こることを明かにした。さらに高周波と強磁場を用いた電子スピン共鳴によって, その中間濃度領域におけるスピン構造の特定した。その結果, 単純な2副格子の反強磁性共鳴で説明できることが分かった。この結果はスピンフラストレーション効果ではなく, ボース粒子として振る舞っているスピンダイマーにわずかなボンドランダムネスが発生するため, スピンギャップが消失したと考えることで説明できる。その結果, 基底状態は磁性的であるため, 有限の鎖間相互作用によって反強磁性長距離秩序を起こしたと思われる。 中間濃度領域における結晶構造も実験結果も, 歪んだチューブ構造を有するフッ化物と非常に似ているが, スピンフラストレーションの有無に大きな違いがあることが分かった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)