2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23684032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥井 寿夫 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (40306535)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レーザー冷却 / ストロンチウム / ホローカソードランプ / 速度変化衝突 / 原子オーブン |
Outline of Annual Research Achievements |
ストロンチウムのレーザー冷却を簡便に行うための光源システムおよび原子オーブンの開発を行った。レーザー冷却に必要なリポンプ光レーザーの周波数安定化のためには、準安定状態(3P2)にあるストロンチウム原子を生成する必要がある。その手法としてホローカソードランプに着目し、ホローカソードランプ内のバッファーガスの種類および圧力を自由に制御できる真空システムを構築した。速度変化衝突の影響を抑えるためには、バッファガスの圧力は1 Torr程度にまで低くするべきであるが、バッファーガスがネオンの場合、3 Torr以下では放電が起きなかった(用いたホローカソードの形状は、内径3 mm、長さ20 mm)。バッファーガスがアルゴンの場合、2 Torr以下でも放電は起きたが、所望する準安定状態の原子が観測できなかった。バッファーガスがキセノンの場合、1 Torr付近でも放電は起きるが、十分な光学密度が得られず、またキセノンの熱伝導率がネオンやアルゴンに比べに著しく低いため、ホローカソードの温度が上昇し、安定な放電が得られないことがわかった。そこで、ネオンとキセノンの混合ガスを用いたところ、その比率が9:1のとき、つまり10%だけキセノンをまぜたネオンをバッファガスとした場合に、全圧1.5 Torrで高い光学密度(約20%)を得ることがわかった。 ストロンチウムのレーザー冷却のための簡便な原子オーブンの開発も行った。オーブン本体の容積は5ccで、真空装置内でタンタルワイヤーによって加熱する形状とした。ビームの指向性を上げるため。射出口にはステンレスハニカム(長さ10mm、内径φ0.3mm×130本)を用いた。またオーブン全体を鏡面研磨したステンレスカップで熱シールドした。その結果、僅か17Wの消費電力で、レーザー冷却に必要な原子ビーム強度が得られる温度(約450℃)を達成した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)