2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23684043
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平賀 岳彦 東京大学, 地震研究所, 准教授 (10444077)
|
Keywords | マントル / カンラン石 / 輝石 / 多相系 / レオロジー |
Research Abstract |
岩石でもっとも多く含まれる鉱物の単相系多結晶体のレオロジーから、これまで地球内部のレオロジーが理解されてきた。実際には岩石は多相系であることから、第二相粒子が岩石バルクのレオロジーにどのような影響を与えるのかを、二相目鉱物の量比を系統的に変化させた試料を用いて調べた。上部マントルを代表するカンラン石-輝石系で実験が行われた。本研究室で合成された鉱物多結晶体を大気圧、1260-1360度下、歪速度10-5から10-4 /secでクリープさせた。その結果、第二相粒子である輝石の増加と共に、多結晶体のクリープ強度は一桁以上下がることが分かった。この低下は、バルクの平均粒子径が小さくなるのと良い対応を示す。現に、輝石が主相となり、カンラン石の比率が低下すると、クリープ強度は再度増加に転じる。詳細な解析の結果、カンラン石-輝石系量比を全て網羅するレオロジーは粒径が最も支配的に決定し、副因として、カンラン石、輝石それぞれの粒子の強度が影響を与えていることを突き止めた。 前年度、我々はマントル構成物質の「超塑性」を世界で初めて室内実験で示し,地球内部の「超塑性」を実証した.この変形した試料の微細構造を解析し、天然に観察されるウルトラマイロナイトの微細構造と比較した。両試料で、変形に伴う同相粒子の選択的合体、および第一相粒子と第二相粒子の共成長があることを示し、自然界における粒界すべりを実証することに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高温炉内での引っ張り軸調整に手間取り、再度設計し直しなどの手間がかかり、実際の引張実験を開始するまでに時間がかかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
変形実験時の粒径変化を実測できるようなシステムを導入すべく、設計しなおしている。
|
Research Products
(1 results)