2011 Fiscal Year Annual Research Report
分光学的手法及び計算科学による大気圧非平衡プラズマ-液相相互作用の研究
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23684049
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 剛仁 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70452472)
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Keywords | 大気圧プラズマ / プラズマ-液相相互作用 |
Research Abstract |
近年、バイオ応用、材料プロセス応用、環境応用など、大気圧非平衡プラズマー液相(主に水)相互作用を用いた応用研究が急速な広がりを見せており、更なる飛躍、継続的発展のためにも学術基盤の構築が必要である。本研究では、大気圧プラズマ領域、液相(水)領域、界面領域の3要素に対し、ラジカルの生成、輸送、反応過程に着目し、分光学的手法及び計算科学を用い素過程を明らかにしていく。素過程の理解をもたらすことで、経験的な応用技術改善・開発からの脱却を促し、戦略的応用技術改善・革新へと導く事を目的としている。 当該年度には、プラズマー液相相互作用を行うためのプラズマ発生源の開発を行うとともに、可視レーザー及び赤外OPOレーザーの導入や、必要となる光学素子の導入・配置等、プラズマー水界面での和周波分光システムの構築を進めた。また、大気開放放電プラズマ中でのコヒーレントラマン散乱電界計測を通じ、大気開放雰囲気におけるプラズマ生成過程における残留電荷の強い影響を明らかにした。 更に、水中でのラマン、蛍光分光を可能とするため、ナノ秒パルスレーザーと、高速イメージング分光を用いたシステムを構築し、バルク中の水分子由来のスペクトル測定に着手した。 計算においては、プラズマから供給されるラジカルの水中化学反応における寄与を明確にするための反応速度計算コードの構築を行い、プラズマによる水中へのOH供給が、水中での化学反応に大きく寄与するといった知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度においては、ほぼ予定通り実験装置の構築が行われ、計算においても、予定に近い形での進展が進めらてている。更に、当初の予定にはなかった、水中でのラマン分光や蛍光分光を追加できる形で研究が進展しており、当初の計画に対して、順調な進展が見られていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に主に取り組んだ、界面における和周波分光、および反応計算コードの改良を進めるとともに、ラマン分光や蛍光分光などによる水中での分光を進める。大気圧プラズマ内でのラジカル計測も行い、目的とする大気圧非平衡プラズマー液相相互作用に関する素過程の理解を進める。
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Research Products
(6 results)