2011 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質を含む生体膜モデル反応場での脂質分子配向および反応活性の制御と検出
Project/Area Number |
23685003
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
手老 龍吾 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 特任助教 (40390679)
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Keywords | 一分子計測 / 脂質 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
細胞膜上での脂質およびタンパク質の分子配向と組織化は細胞内外での物質・情報・エネルギーの輸送に関わる重要な要因である。本研究課題では、支持平面脂質二重膜(SLB)にペプヂドやタンパク質を導入するてとで真に生体膜モデル反応場として機能する人工脂質膜系を構築し、膜内の脂質およびタンパク質の分子配向と反応活性を検出・制御することを目的とする。そのために必要な3つの要素技術の開発に取り組んだ:(1)SLBへの機能を保った状態でタンパク質を導入する、(2)脂質膜内の分子配向を1分子レベルで直接観察する蛍光デフォーカスイメージング(FDI)法に必要な光学系の構築、(3)分子配向制御のための電極埋め込み基板の作製。平成23年度は、(1)に向けて膜変形モジュールタンパク質であるF-BARをSLBに導入し、その活性評価および自己組織化過程をリアルタイム観察することを試みた。F-BARが活性を示すフォスファチジルイノシトール(PI)を含むSLBを、緩衝液中にCa^<2+>を加えることでSiO_2/Siおよびマイカ基板上に再現性良く作製する方法を確立した。緩衝液中からCa^<2+>を除いた後にF-BARを加えると、SLBから管状構造が伸長することが蛍光顕微鏡で観察されたことから、F-BARがSLB上でも活性を保つことが確認できた。F-BAR添加後のPI含有SLBを緩衝液中で原子間力顕微鏡顕微鏡観察し、F-BARに由来する吸着物の2次元ドメインが成長する様子をin situで観察することに成功した。(2)のFDI法に向けての光学系の改良にも現在取り組んでいる。また、高電子移動度材料として知られるグラフェン上へのSLB形成についても取り組み、グラフェン酸化物(GO)および還元GO上にSLBを作製することができることを示した。グラフェンを電極材料として用いることで、(3)の電極埋め込み基板を代替できる可能性もあると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SLBへのタンパク質の添加は平成24年度目以降を計画していたが、前倒しで始めることができた。当初の計画では初年度の目標であったFDI計測についても、基本的な光学系のセットアップを済ませることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
SLB上でのF-BAR自己組織化過程のその場観察についてはタンパク質濃度や、異なるタンパク質由来のF-BARを用いるなどしてより詳細な観察を行い、メカニズムの解明を目指す。FDI計測については光学系を完成させ、回折像の取得と分子配向観察に着手する。観察系を構築するためには、蛍光色素だけではなくまずより輝度の高い量子ドットを用いる方が適している可能性もあるので、適宜判断する。PI含有SLBおよびF-BARについてFDI計測を行い、F-BARの反応活性を司るPI親水頭部の分子配向の可視化とメカニズムの解明を目指す。
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Research Products
(12 results)
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[Book] Reviews in Plasmonics 2010, Chapter 5, "Fabrication and Application of Plasmonic Silver Nanosheet"2012
Author(s)
K.Tamada,X.Li, P.Wulandari, T.Nagahiro, K.Michioka, M.Toma, K.Toma, D.Obara, T.Nakada, T.Hayashi, Y.Ikezoe, M.Hara, S.Katano, Y.Uehara, Y.Kimura, M.Niwano, R.Tero, K.Okamoto
Total Pages
139-157(全333頁)
Publisher
Springer
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