2013 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖等の超高感度構造解析を目指した真空紫外域での顕微円二色性計測装置の開発
Project/Area Number |
23685007
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 真人 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (30386643)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 糖・糖鎖 / タンパク質 / 分子構造解析 / 真空紫外線 / 物性実験 / キラリティ / 化学物理 / バイオ関連機器 |
Research Abstract |
本研究は真空紫外線領域に対応した円二色性分光装置と顕微装置とを組み合わせることで、微量しか入手困難な糖・糖鎖や希少タンパク質(例えばアミロイドタンパク質)などの重要な生体分子の紫外~真空紫外線領域における円二色性スペクトルの計測が可能な画期的な計測システムの開発を目的としたものである。本提案の遂行により、将来的には本装置を基にした真空紫外円二色性計測による分子構造解析とそれを基にした医薬品開発などのバイオ分野での貢献を目指している。 本年度は平成23、24年度において設計・開発を進めてきた真空紫外円二色性システムを用いて、糖・多糖水溶液試料の真空紫外円二色性および吸収スペクトルの計測をまず行った。試料として、単糖であるD-グルコース、二糖であるD-トレハロース、三糖であるマルトトリオースを選択した。これらはグルコースがグルコシド結合して形成されたものである。その結果吸収スペクトルの形状は上記の試料間でほとんど変化しないのに対し、円二色性スペクトルの構造・強度にはいくつかの違いが確認された。現在この違いの原因を分子軌道計算などにより解析している。このように糖の結合数の変化による真空紫外円二色性スペクトルの変化を系統的に観測することに成功した。 また真空紫外円二色性システムの更なる高度化として、円偏光を発生させる光弾性変調子の光学配置などを変えて計測することで、ベースライン信号の強度を大幅に減少させる手法を考案・開発した。これにより試料のないブランクスペクトル計測が不要になるなど、本システムの更なる高度化に成功した。加えて本システムの偏光度を計測するシステムの構築にも成功した。今後は本システムを活用して、様々な生体分子等の計測と構造解析を進めていく。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(8 results)