2013 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性銅触媒による主要生体構成元素間結合活性化法の開発
Project/Area Number |
23685008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 達 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00333899)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 触媒反応 / 転位反応 / 効率的合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格σ結合の開裂を伴う触媒的骨格転位反応は、他の手法では調製困難な反応性中間体を温和な条件下効率的に発生させる手法として、当研究室では、O-プロパルギルオキシムの銅触媒によるC-O結合開裂を伴う2,3-転位反応により過渡的に生じるN-アレニルニトロン中間体が多様な反応性を示すことを見出してきた。今回我々はこの鍵中間体の新たな反応性の開拓と合成的有用性の実証を進めるとともに、新たな触媒的活性化法の適応と類縁基質の反応性探求を実施した。(1) 電子豊富な芳香族置換基を持つO-プロパルギルオキシムと電子不足オレフィンとの銅触媒反応により、C-O、N-O、および2つのC-H結合の開裂を伴ってアミドジエン誘導体が高収率で生成することを見出した。この反応はN-アレニルニトロン中間体への2,3-転位後、オキシム由来置換基からの電子供与によりニトロンC=N結合が回転しオキサジリジン中間体を形成する。更にこの電子供与置換基が促進する1,2-水素移動によりN-アレニルアミド中間体が生じ、これより銅触媒によって生成物に異性化したと考えられる。(2)これまでO-プロパルギルオキシムに対するアルキン部位のπ活性化を触媒反応の起点としてきたが、末端アルキンを持つO-プロパルギルオキシムに対してアセチリド中間体形成によって活性化すれば異なるカスケード反応が進行すると期待される。特にChangらの報告に従えば、スルホニルアジトとの銅触媒反応では、銅アセチリドを経由するケテンイミン中間体が先ず発生し、さらに近傍に位置するオキシム窒素の求核攻撃と比較的弱いN-O結合の開裂を伴うカスケード反応が進行すると予測される。この作業仮説のもと、O-プロパルギルオキシムとスルホニルアジトとの銅触媒反応により、α、β-不飽和アミジン誘導体が効率的に生成することを見出した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)