2014 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-炭素、炭素-酸素及び炭素-ケイ素結合の触媒的変換反応の開発
Project/Area Number |
23685021
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鳶巣 守 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60403143)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 炭素-酸素結合活性化 / 炭素-窒素結合活性化 / 炭素-リン結合活性化 / クロスカップリング |
Outline of Annual Research Achievements |
有機合成では、これまでほとんど利用されてこなかった不活性な化学結合の切断と変換を目指し、以下の検討を行った。
1)低原子価ニッケル触媒がアニソールの炭素-酸素結合切断に有効であることを明らかにしてきたが、同様の触媒系が、より強固なアニリドの炭素-窒素結合の切断に有効であることを見つけた。例えば、反応試薬としてヒドロボランを用いれば、アミド基の炭素-窒素結合の還元的切断が進行し、水素原子が導入される。また、ジボロンを用いれば、対応するボリル化生成物が得られる。 2)これまで、アニソールのような不活性炭素-酸素結合の活性化には、低原子価ニッケルの利用が必須であった。さらなる反応形式の多様化を実現するためには、他の金属触媒での、炭素-酸素結合の活性化の達成が望まれる。今回、ロジウム触媒でのカルバメート誘導体の炭素-酸素結合の切断をともなった有機ホウ素試薬とのクロスカップリング反応を達成した。対照実験の結果から、一価ロジウム前駆体とアリールボロン酸とのトランスメタル化により生成するフェニルロジウム中間体が、炭素-酸素結合活性化能を持っていると考えられる。 3)これまで、二価パラジウム触媒を用いたトリフェニルホスフィン誘導体の炭素-リン結合を切断し、5員環の環状リン化合物を合成する手法を開発した。この反応では、ホスホニウム塩中間体を経由して、炭素-リン結合の切断が進行している。今回、類似の反応が、6員環の形成にも応用可能であることを明らかにした。昨年度見出した5員環の反応を単純に六員環の基質へと変えるだけでは目的物は全く得られず、ハロゲン基質を用いて、還元剤存在下、ゼロ価パラジウム触媒で反応させることにより、6員環の化合物が効率よく得られることがわかった。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|