2013 Fiscal Year Annual Research Report
直交分子設計による超高分子工学:機能性自己組織材料の創製
Project/Area Number |
23685024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大内 誠 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90394874)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高分子合成 / 超分子化学 / ナノ材料 / 高分子構造・物性 |
Research Abstract |
本研究では,精密重合の開始剤や停止剤に対して,構造制御因子と機能発現因子をあらかじめ組み込む直交分子設計を行い,精密重合と生成高分子の自己組織化構造制御を経て,機能性自己組織材料へと誘導する「超高分子工学」を研究する。 本年度は会合定数の高い相補的水素結合を高分子鎖の狙いの位置に導入する研究として,ハミルトンレセプターと呼ばれる多点水素結合を有する二官能性開始剤を設計・合成した。これを用いたリビングラジカル重合を確立し,中央にハミルトンレセプターを有するポリマーを精密に合成した。このポリマーに対し,相補的に水素結合可能なサイトを有するポリマーを混ぜると,ゲル透過クロマトグラフィーでも観測できるほど,強固に結合したT字型の超分子ブロックコポリマーが得られた。さらに,鎖延長化反応により,周期的にグラフト化された超分子グラフトコポリマーを構築した。 また,開始剤に加えて,モノマーにも構造制御因子と機能発現因子を組み込むことで,独自の機能性自己組織化材料に向けて検討を開始した。ここでは,交互共重合可能なスチレン誘導体とマレイミド誘導体に着目した。特に,開始剤に親水性のポリエチレングリコール(PEG)を用い,スチレン誘導体には機能基を,マレイミド誘導体には自己組織化を誘導するために長鎖アルキル基を導入した。この重合制御が可能であることを見出し,これにより機能性自己組織化材料の足がかりとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機能性自己組織材料へと誘導するためのリビング重合開始剤に対する「組み込み分子設計」がなされている。また,本研究に関して,学会発表・論文発表を行っており,「おむね順調に進展している」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,開始剤のみならず,モノマーにも構造制御因子と機能発現因子を組み込むことで,独自の機能性自己組織化材料に向けて検討を行う。特に,交互配列や繰り返し位置に機能発現因子を導入することで,自己組織化でこれらの機能が増幅される設計を狙う。
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Research Products
(18 results)