2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23685026
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高島 義徳 大阪大学, 理学研究科, 助教 (40379277)
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Keywords | 超分子ヒドロゲル / 刺激応答性 / 分子認識 / ホスト-ゲスト相互作用 / 自己修復材料 / 伸縮性超分子材料 / 光刺激 / 酸化還元刺激 |
Research Abstract |
日本の科学技術発展において高分子科学が果たせる役割に人工筋肉や自己修復性などの再生医療への創発機能を持った材料が期待されている。その中で高分子ゲルが果たせる役割は重要な領域である。本申請課題ではホスト分子とゲスト分子の組み合わせに応じた多機能な超分子ヒドロゲルの構築を試み、ストレスとして光や酸化還元を用いて、ゾル・ゲル相転移、人工アクチュエーターを目指した膨潤・収縮の制御を試みる。 超分子ゲルのレスポンス改善・自己修復性超分子マテリアルの構築 ホスト分子としてシクロデキストリン、酸化還元応答分子としてフェロセンを利用して、高分子側鎖に修飾することにより、酸化還元応答性の超分子ヒドロゲルにゾル-ゲルスイッチに成功した。特異的なホストーゲスト相互作用に応じて、ゾルゲル変化が確認された。形成された超分子ヒドロゲルの架橋が可逆的なホストーゲスト錯体形成によることに着目し、一度切断してそのネットワークが崩れても、包接錯体形成の自己組織化(回復)により傷を修復できるのではないかと考えた。実際にゲルを切断し、切断面同士にて再び接合したところ、切断した際の傷が消失し、再接着が確認された。これにより、この超分子ヒドロゲルの自己修復性が確認された。 更に、ゲル表面でのフェロセンの酸化状態を変化させることによる自己修復能の制御を試みた。ゲルの切断面に酸化剤を塗布し、表面のフェロセンをプラスイオン状態としたところ自己修復能の低下が確認された。続いて還元剤を塗布してフェロセン部位を中性状態に戻したところ元のように自己修復能の回復が認められた。以上のように、生体系に見られるような刺激に対する応答性、自己修復性を兼ね備えた新規機能性材料を人工系で実現することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題の進捗状況に関して、申請時の研究計画に基づいて、初年度は自己修復性のゲルの作製を行った。特に酸化還元応答性の自己修復ゲルの作製に成功し、Nature Communicationsに発表した。現在、ホスト-ゲスト相互作用を利用した自己修復ゲルを勢力的に実験しており、初期の材料強度と同じ程度まで回復することを確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記に述べた通り、酸化還元応答性の自己修復ゲルの作製に関して、成功したが、光刺激応答性の自己修復ゲルの作製には至っていない。平成24年度には光刺激応答性の自己修復ゲルの作製に挑戦する予定である。またより材料強度の高い自己修復材料の作製も試みる。これらのゲルの利用用途として、血管塞栓材への利用を計画している為、モデル化合物を用いて、成型性について検討を行い、ホストゲスト分子からなるポリマーを用いた球状材料の作製を行う。
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Research Products
(8 results)
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[Book] 化学工業2011
Author(s)
高島義徳・原田明
Total Pages
6
Publisher
刺激応答性超分子マテリアルの構築とその性質
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