2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23685026
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高島 義徳 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40379277)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 超分子ヒドロゲル / 刺激応答性 / 分子認識 / ホスト-ゲスト相互作用 / 自己修復材料 / 伸縮性超分子材料 / 光刺激 / 酸化還元刺激 |
Research Abstract |
日本の科学技術発展において高分子科学が果たせる役割に人工筋肉や自己修復性などの再生医療への創発機能を持った材料が期待されている。その中で高分子ゲルが果たせる役割は重要な領域である。本申請課題ではホスト分子とゲスト分子の組み合わせに応じた多機能な超分子ヒドロゲルの構築を試み、ストレスとして光や酸化還元を用いて、ゾル-ゲル相転移、人工アクチュエーターを目指した膨潤-収縮の制御を試みる。 光刺激応答性超分子ゲルアクチュエーターの構築 今回、我々はホスト分子であるシクロデキストリン(CD)を用いて、CD のホスト-ゲスト相互作用を利用して、超分子ヒドロゲルを作製した。その特徴はCDの包接錯体形成能にある。CD は選択的に疎水性の有機分子を取り込み、包接錯体を形成する。今回、我々は高分子の側鎖にホスト分子であるCD とCD のゲスト分子となる刺激応答性分子、さらに超分子ヒドロゲルを構成する分子と形態が崩れないようにするための架橋分子を加えて、超分子ヒドロゲルを作製した。作製した超分子ヒドロゲルは有機溶媒中では大きく膨潤するのに対して、溶媒を水に置き換えることによって、大きく収縮した。このような溶媒の疎媒性の変化に対して、CD とゲスト分子の両方が修飾されていないゲルでは逆に大きく膨潤した。CD とゲスト分子の両方が修飾されている超分子ゲルが示した収縮性はホスト-ゲスト相互作用による包接錯体が形成されることにより、高分子鎖間の架橋点数が増加したことが原因であることが明らかとなった。このようなホスト-ゲスト相互作用による架橋点の形成は可逆的に制御できるため、刺激応答性のゲスト分子を選択することで、可逆的に膨潤収縮を行うことが出来る。今回、ホスト-ゲスト相互作用による可逆的な架橋点の形成を光刺激と酸化還元刺激の二つの系にて実施し、筋肉の様な伸縮性を示す超分子マテリアルの作製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題の進捗状況に関して、申請時の研究計画に基づいて、初年度は自己修復性のゲルの作製を行い、二年目には光刺激応答性超分子ゲルアクチュエーターの作製に成功した。作製したゲルは光刺激に対して、膨潤収縮する挙動を示し、平板状ゲルでは屈曲する挙動やひも状ゲルでは生き物のように巻き上がったり戻ったり可逆的な挙動を観察した。分子の側鎖にホスト分子であるCD とCD のゲスト分子となる刺激応答性分子、さらに超分子ヒドロゲルを構成する分子と形態が崩れないようにするための架橋分子を加えて、超分子ヒドロゲルを作製した。作製した超分子ヒドロゲルは有機溶媒中では大きく膨潤するのに対して、溶媒を水に置き換えることによって、大きく収縮した。このような溶媒の疎媒性の変化に対して、CD とゲスト分子の両方が修飾されていないゲルでは逆に大きく膨潤した。CD とゲスト分子の両方が修飾されている超分子ゲルが示した収縮性はホスト-ゲスト相互作用による包接錯体が形成されることにより、高分子鎖間の架橋点数が増加したことが原因であることが明らかとなった。このようなホスト-ゲスト相互作用による架橋点の形成は可逆的に制御できるため、刺激応答性のゲスト分子を選択することで、可逆的に膨潤収縮を行うことが出来る。今回、ホスト-ゲスト相互作用による可逆的な架橋点の形成を光刺激と酸化還元刺激の二つの系にて実施し、筋肉の様な伸縮性を示す超分子マテリアルの作製に成功した。この作動原理はCD に限らず、超分子化学全般に観察されるホスト-ゲスト相互作用を利用することが出来ると考えられる。この研究内容はNature Communicationsに発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
1上記に述べた通り、光刺激応答性超分子ゲルアクチュエーターの作製に成功したが、光刺激応答性の自己修復ゲルの作製には至っていない。平成25年度には光刺激応答性の自己修復ゲルの作製に挑戦する予定である。またより材料強度の高い自己修復材料の作製も試みる。これらのゲルの利用用途として、血管塞栓材への利用を計画している為、モデル化合物を用いて、成型性について検討を行い、ホストゲスト分子からなるポリマーを用いた球状材料の作製を行う。
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Research Products
(13 results)