2012 Fiscal Year Annual Research Report
活性点分離の概念を機軸とする酸化的炭素-炭素結合形成反応の開発
Project/Area Number |
23685036
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
田嶋 稔樹 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (50361770)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 合成化学 / 活性点分離 / 炭素カチオン |
Research Abstract |
本研究では、我々がこれまでの研究過程で提唱した“有機電解合成における活性点分離の概念”を方法論的原理の基盤とし、炭素-水素結合を炭素-炭素結合へと直接変換する酸化的炭素-炭素結合形成反応を新たに開発することを目的とした。すなわち、有機電解合成における活性点分離の概念を炭素求核剤に適応することで“電解酸化を受けない炭素求核剤”を創製し、有機化合物の電解酸化により生成する炭素カチオンと“電解酸化を受けない炭素求核剤”を直接反応させ、従来法では困難であった1段階での酸化的炭素-炭素結合形成反応を開発することを目的とした。本目的を達成するために、平成24年度は以下の検討を行った。 ①電解酸化を受けない炭素求核剤を用いる酸化的炭素-炭素結合形成反応の開発 平成23年度の研究において、炭素求核剤をイオン結合や共役酸塩基対を利用することで固体に固定化することに成功し、それらが“電解酸化を受けない炭素求核剤”として機能することを明らかにした。これに対し、平成24年度の研究において、“電解酸化を受けない炭素求核剤”を用いる酸化的炭素-炭素結合形成反応の開発を行った。しかしながら、長い反応時間や支持電解質とのアニオン交換反応により電解酸化を受けないはずの炭素求核剤が電解酸化を受けてしまうという新たな問題点が明らかになった。 ②固体酸存在下におけるカルバメート類の電解酸化反応とその炭素-炭素結合形成反応への応用 平成23年度の研究において、有機化合物の電解酸化により生成する炭素カチオンが固体酸存在下において安定化もしくは固体酸末端に固定化されることを明らかにした。これに対し、平成24年度の研究において、有機化合物の電解酸化により生成する炭素カチオンは固体酸だけではなく強酸存在下においても安定化することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度当初の計画は、①電解酸化を受けない炭素求核剤を用いる酸化的炭素-炭素結合形成反応の開発と②固体酸存在下におけるカルバメート類の電解酸化反応とその炭素-炭素結合形成反応への応用について検討を行うことであった。これに対し、①については新たな問題点が明らかになったのに対し、②については大きく進展したため、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
①電解酸化を受けない炭素求核剤を用いる酸化的炭素-炭素結合形成反応の開発 炭素求核剤をイオン結合や共役酸塩基対で固体に固定化することで形成した“電解酸化を受けない炭素求核剤”の問題点を克服し、酸化的炭素-炭素結合形成反応へと応用する予定である。 ②固体酸存在下におけるカルバメート類の電解酸化反応とその炭素-炭素結合形成反応への応用 平成23-24年度に得られた結果を基にして、固体酸または強酸存在下におけるカルバメート類の電解酸化反応により生成するN-アシルイミニウムイオン等価体と炭素求核剤との炭素-炭素結合形成反応について検討を行う予定である。
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Research Products
(4 results)