2013 Fiscal Year Annual Research Report
準安定相鉄系複合酸化物の特異な結晶構造を利用した新規触媒材料の開発
Project/Area Number |
23685046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細川 三郎 京都大学, 実験と理論計算科学のインタープレイによる触媒・電池の元素戦略研究拠点ユニット, 特定講師 (90456806)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 準安定相 / 鉄系複合酸化物 / ソルボサーマル法 / 燃焼触媒 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
希土類ー鉄複合酸化物では斜方晶ペロブスカイト型構造が安定相であるが,準安定相の六方晶構造のものも存在する.自動車排気ガス浄化触媒として応用されている斜方晶構造のFe3+イオンは六配位構造をとるのに対し、六方晶構造のFe3+イオンは五配位という特異な配位構造を有している。さらに,六方晶構造のc軸方向に着目すると,希土類と鉄の層が交互に積み重なった構造をもつ.このように独特な結晶構造を有しているにもかかわらず準安定相であるが故にその合成は困難である。そこで、本研究では六方晶REFeO3の特異な結晶構造を活かすことで、自動車排ガス処理用の触媒材料に求められる物性を持つ新規触媒材料の開発を目指す。 前年度までの検討において、ソルボサーマル法による異種元素修飾六方晶YbFeO3の合成および触媒特性の評価を検討した。その結果、ソルボサーマル合成したMn修飾六方晶YbFeO3はプロパンの燃焼反応に対して高い活性を有しており、貴金属触媒であるPd/Al2O3触媒より優れた性能を示すことを見出した。さらに、ソルボサーマル合成した六方晶YbFeO3は斜方晶YbFeO3に比べて焼結がほぼ進行しないことも見出した.しかし,今までの検討では500℃焼成したMn修飾六方晶YbFeO3触媒を用いて活性評価を行っており,自動車用触媒への応用として重要な耐熱性の評価は行っていなかった.そこで,本年度ではMn修飾触媒の耐熱性の有無を検討するために焼成温度が及ぼす活性への影響について検討した.その結果,800℃焼成した触媒においても大きな活性低下は認められなかった.また,TEM観察により高温焼成した触媒の形態を確認したところ,綺麗な六角板状のナノ粒子が観察でき,高温焼成による顕著な焼結は進行していなかった.これらの結果より,本触媒は高い耐熱性を有していることが認められた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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