2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23686002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
一杉 太郎 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 准教授 (90372416)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 酸化物 / 透明導電膜 / 走査トンネル顕微鏡 / エピタキシャル薄膜 / 超伝導 |
Research Abstract |
遷移金属酸化物をベースとした透明導電酸化物薄膜の物性を探るということを狙いとして研究を進めた。その結果、今年度、二つの大きな成果を得た。 1. LiTi2O4透明導電薄膜の合成と、透明導電性発現メカニズムの検討: スピネル構造を有するLiTi2O4エピタキシャル薄膜が透明導電性を示すことを見いだした。さらにこの薄膜は13 Kで超伝導性を示すことから、“透明超伝導体”であることが明らかになった。透明超伝導体としては最高の超伝導転移温度を示す。この透明導電性の起源を探ったところ、バンド構造に従来の透明導電体に類似した特徴があり、さらに、電子の有効質量が鍵を握っていることが明らかになった。 2. SrTiO3とLaAlO3の界面に関する研究: この系は、界面において高い電気伝導性を示すことから、非常に注目を浴びている。しかし、透明導電性という観点からの検討は皆無である。本研究の特徴は、原子が周期的に並んでいることが確認されているSrTiO3(001)-(√13x√13)-R33.7o再構成基板上に、精密にLaAlO3薄膜を作製する点である。これにより、原子が整然と並んだ表面を走査トンネル顕微鏡で探ることが可能となる。その結果、非常に特異な結晶成長をすることが明らかになった。さらに、1層、2層、3層とLaAlO3薄膜の厚みを変えたヘテロ構造を作製し、超高真空中で輸送特性評価を行った。すると、2層のLaAlO3薄膜を成膜した場合に高電気伝導が発現した。これは、4層の薄膜を積まねばならないとされていた定説とは異なる結果であり、再構成した基板を用いると、新たな物性が現れることを意味している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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