2014 Fiscal Year Annual Research Report
ワイドバンドギャップ半導体結晶をベースとした高感度ホログラム記録材料の開発
Project/Area Number |
23686011
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
藤村 隆史 宇都宮大学, オプティクス教育研究センター, 准教授 (50361647)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フォトリフラクティブ効果 / 窒化物結晶 / ホログラム記録材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は予定を変更してAlN結晶におけるフォトリフラクティブ特性と光誘起吸収特性をより詳細に評価した。使用したAlN結晶は450nmに吸収ピークをもつバルク無添加AlN結晶である。測定では電気光学変調器を用いてポンプ光の偏光を90度回転させプローブ光との干渉のON/OFFをスイッチし、吸収変化による信号変化の寄与を除外して2光波混合測定を行った。その結果、屈折率格子ゲインとして0.6cm-1という大きな値を得ることができた。この値は、以前測定した値よりも数倍以上大きな値であり、かつ励起波長405nmの時の値と比べても大きな値である。かつ得られた光強度依存性は0.2W/cm2以上の光強度でほぼ一定値をとり、さらに応答速度の光強度に対する線形性からAlN結晶における波長325nmにおけるフォトリフラクティブ効果は典型的な1準位モデルとして動作していると結論づけることができた。一方で、波長325nm励起の光誘起吸収スペクトル測定では、波長228nm、280nm、450nmにそれぞれ正、負、正の吸収変化ピークが見られたがこれらのピークはほぼ同じ時定数で緩和しており、同一の吸収起源であることがわかった。また緩和のプロファイルは単純な指数関数型ではなく、拡張指数関数型で緩和していくことがわかった。これは、高い欠陥密度によって上準位にある電子が伝導帯などを介さずに直接下準位に遷移して緩和していることを示唆している。また観測された光誘起吸収の緩和の時定数は130分程度であり、直接遷移で下準位に緩和はするものの上準位は熱的には比較的安定な準位であることがわかった。したがって、今回の光誘起吸収に関与した上準位と下準位の2準位のトラップ準位は、低い光強度で飽和状態に達し、実効的な1準位モデルとしてフォトリフラクティブ効果を引き起こしていることを明らかにすることができた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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