2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハーフサイクルテラヘルツ波電磁波パルスによる超高速スピン操作
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23686012
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
中嶋 誠 東京大学, 物性研究所, 助教 (40361662)
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| Keywords | テラヘルツ波 / スピントロニクス / コヒーレント制御 / スピン歳差運動 / 磁気共鳴 / 磁気光学効果 / 超高速 |
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| Research Abstract |
2011年度は、本研究課題の初年度にあたり、主に装置の改良や新規システムの構築を中心に行った。
本予算で購入した一体型フェムト秒パルスレーザーを導入し、レーザー増幅器と組み合わせることで、励起光源のパワーアップを図った。従来の1mJ,50fsの励起光を、4mJ,20fsに高強度化および短パルス化することに成功し、この光源を用いることで、より強力なテラヘルツ光源の開発が期待される。実際に、この光源を用いて、800nmおよび400nmのレーザー光を同軸に集光し、空気プラズマを生じさせることによって、テラヘルツ波を発生させ、現状ピーク電場強度0.7MV/cmの高強度テラヘルツ波パルスの発生および観測に成功している。この値は、この方法で発生させるテラヘルツ波の中で最も高い電場強度である。
新たにテラヘルツイメージング装置を構築し、散乱型の近接場効果を利用することで、用いているテラヘルツ波の波長の1/200という高い空間分解能を有するイメージングシステムの構築に成功している。
物性測定に関しては、これまで用いてきたYFeO_3の他に、ErFeO_3の単結晶作製を行い、測定を行なっている。スピン歳差運動のダブルパルス励起によるコヒーレント制御を行い、また、共鳴周波数・緩和時間の温度依存性や磁気相転移に関して調べた。
本研究で行なっているテラヘルツ波パルスの磁場成分を用いたコヒーレント制御の結果について、応用物理学会にて博士課程の山口が講演し講演奨励賞を頂いた。また日本物理学会にてシンポジウム講演を行う予定である。さらに応用物理学会誌の2012年4月号のテラヘルツ波特集に、投稿記事が掲載されることになった。本研究の成果が広く認められていることがわかる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
震災で、実験時間が制約されるなどの支障があったが、新規光源の導入などおおむね順調に進展している。2波長励起による空気プラズマからのTHz波発生で、0.7MV/cmと高ピーク電場強度のTHz波発生に成功している。新たに構築したTHzイメージング装置では、λ/200の高空間分解能が得られた。これまでおこなってきたYFeO_0のほかに、ErFeO_3で単結晶作製や、コヒーレント制御、低温での磁気相転移の観測などを行なった。
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| Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従って、得られた高強度テラヘルツ波パルスを用いて、スピンの超高速制御や強励起効果をはじめとする現象の探索を行う。
THz光源に関して、ピーク電場強度について未だ最適化されてない部分もあるので、試料の測定を行うのと平行に引き続き光源の開発も行う。
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[Journal Article] Intense terahertz emission from undoped GaAs/n-type GaAs and InAs/AlSb structures grown on Si substrates in the transmission-geometry excitation2011
Author(s)
Elmer Estacio, Satoru Takatori, Minh Hong Pham, Takashi Yoshioka, Tomoharu Nakazato, Marilou Cadatal-Raduban, Toshihiko Shimizu, Nobuhiko Sarukura, Masanori Hangyo, Christopher T. Que, Masahiko Tani, Tadataka Edamura, Makoto Nakajima,John Vincent Misa, Rafael Jaculbia, Armando Somintac, and Arnel Salvador
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Journal Title
Applied Physics B
Volume: 103
Pages: 825-829
DOI
Peer Reviewed
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