2012 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルス電子ビームを用いたリアルタイム2Dテラヘルツ分光システムの開発
Project/Area Number |
23686018
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
黒田 隆之助 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (70350428)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | テラヘルツ / 光源技術 / 分光技術 / 加速器 / 高性能レーザー |
Research Abstract |
本研究は、小型加速器ベースの高出力テラヘルツ光源を開発し、テラヘルツパルスによる時間領域分光を行うと同時に、ラインスキャン法を用いたリアルタイム2D吸収スペクトルを取得する手法の実現を目指すことを目的としている。本年度は昨年度同様に、産総研Sバンド小型電子リニアックを用いてエネルギー約40MeVの高輝度・超短パルス電子ビームを生成し、コヒーレント放射を用いた高出力テラヘルツパルスを生成した。そして、EOサンプリング法をベースとした時間領域分光の分解能向上とシングルショット分光実現のための試験を行った。コヒーレント放射源には、アルミターゲットによるコヒーレント遷移放射光を生成し、テラヘルツレンズによって平行光にした後、再度テラヘルツレンズによって、EO結晶に集光した。EO結晶としては、ZnTe(100面)結晶を用いた。プローブ光としては、加速器と同期したTi:Saフェムト秒レーザーを用い、テラヘルツパルスと同時にEO結晶に集光した。結晶を透過したプローブ光は、10^-7のコントラストを持つ偏光子を透過させ、プローブ光の位相変化をPhotoDiode(PD)によって検出し、テラヘルツ時間波形の取得を行った。その後、上記手法における時間分解能は、テラヘルツパルスとプローブパルスとの時間ジッターによって大きく制限されるため、問題解決のためチャープパルスをプロ-ブ光としたシングルショット時間領域分光の試験を行った。その結果、フェムト秒レーザーを約60ps程度までチャープしたプローブ光を、テラヘルツパルスによるEOサンプリング法を用いて計測し、プローブ光の周波数領域と時間領域の対応関係(2ps/1nm)を測定することに成功した。このことから、開発中のシングルショット計測システムにおける時間分解能は200fsであることが確認でき、最終年度でのシングルショット分光を実現させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、小型リニアック施設を用いた超短パルス電子ビームによるテラヘルツ領域のコヒーレント遷移放射光生成、及びそれを利用した高出力テラヘルツ時間領域分光だけでなく、EOサンプリング法によるチャープパルス計測にも成功し、シングルショット分光実現へ大きく近づいたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず、コヒーレント・テラヘルツ遷移放射光パルスとプローブパルスとの時間ジッターの軽減のためのシングルショット分光を成功させるため、分光器で計測するプローブ光のバックグラウンドを軽減させることに注力する。そのためには、プローブ光の光学系にEO変調器もしくはAO変調器を追加し、本パルスと小パルスのコントラストを改善する必要がある。上記を解決させ、チャープパルスをプロ-ブ光としたシングルショット分光への目処をつけ、リアルタイム2Dスペクトル測定の実現を目指す。
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Research Products
(9 results)