2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23686025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平方 寛之 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40362454)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ構造 / 界面 / 破壊 / クリープ / 材料強度 |
Research Abstract |
低応力、高温下において時間依存型の変形が進行し破壊に至るクリープの存在は良く知られている。クリープは応力を駆動力とする原子の拡散によってもたらされるため、高速拡散路である表面や界面の割合が極めて大きいナノスケールの材料は、バルクとは大きく異なる特性を示すと考えられる。一方、異材界面は、原子構造の不整合とともに力学的性質の不連続部でもあり、複雑な破壊が進行する箇所である。本研究では、次世代ナノデバイスの中核を担う寸法が10 nmオーダーの金属ナノ構造体の界面を対象として、クリープ界面強度実験法を開発するとともに、変形・破壊機構の解明を通じてクリープ界面破壊の支配力学を明らかにすることを目的とする。 本年度は、前年度に引き続き、SiおよびSiN基板上に成長させたTiナノ構造体のクリープ変形、およびクリープ界面破壊に関する追加実験を実施した。実験結果を基に、ナノ構造体のクリープを考慮した力学解析を実施し、強度の支配力学則を解明した。さらに、Ti以外の材料(酸化タンタルTa2O5)によるナノ構造試験片を作製し、室温下におけるクリープ現象の一般性について検討した。得られた結果を以下に要約する。 (1) Tiナノコラム構造体は室温下でクリープ変形し、界面破壊へと至った。傾斜したTiナノコラム構造に対する負荷方向を変えた実験とクリープを考慮した応力解析の結果、同程度のクリープ寿命であったナノコラム試験片において界面端部近傍の5 nm程度の局所領域の応力場の強さがほぼ一致した。このことは、クリープ界面破壊がナノスケールの局所応力場によって支配されることを示唆している。 (2) SiN基板上に成長させたTa2O5ナノコラム構造体に対するクリープ実験により,室温では顕著なクリープを生じないTa2O5であってもナノコラム構造体では室温クリープし破壊することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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