2011 Fiscal Year Annual Research Report
10nm-nodeに向けた非接触光リソグラフィー技術の開発
Project/Area Number |
23686026
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上野 貢生 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (00431346)
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Keywords | ナノ・マイクロ加工 / 近接場リソグラフィ / プラズモニクス / ナノギャップ / 10 nm-node |
Research Abstract |
平成23年度は、10nmのラインアンドスペースパターン(長さ1μm)をポジ型フォトレジスト膜上に形成可能であることを明らかにした。最初に、ナノギャップを有する金属ナノ構造を配置したフォトマスクを高精細に作製する方法論を明らかにした。ガラス基板上にネガ型電子ビームレジストのHSQ(焼結後ガラスに変化する)をコートして、電子ビーム露光/現像(TMAH)によりパダーニングを行い(ライン幅32nm、スペース幅8nm、長さ1μmの金のラインアンドスペースパターン)、パターニングした基板上に金を10nmスパッタリングにより成膜することによりフォトマスクの作製を行った。フォトマスクの設計は、トランジスタのゲート電極に対応しており、ゲート長10nm以下の電極を高密度に基板上に配置することが可能になる。あらかじめフォトレジストをコートした基板とフォトマスクを重ねあわせて減圧状態にすることにより基板同士を完全に密着させ、近赤外光を光源とした露光システムにより密着露光を行った。フォトレジスト基板を現像後、基板の電子顕微鏡観察を行ったところ、幅5nm長さ1μmピッチ40nmのラインアンドスペースパターンが高精度に形成されていることを確認した。また、フォトマスク上に形成した金のナノパターンの光電場強度分布についてもFDTD(時間領域差分法)シミュレーションにより詳細に検討した。さらに、可視・赤外波長領域における分光計測システムを構築し、分光測定を行うとともに、FDTDシミュレーションによるスペクトル解析の結果と比較した。その結果、フォトマスクのナノギャップ領域において増強された近接場光がフォトレジストの2光子吸収を誘起して、高い分解能でリソグラフィーが実現されでいることを明らかにすることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究実施計画に沿って研究が行われ、幅10nm以下のラインパターンを高密度に形成することが可能であることを明らかにした。また、フォトマスをシングルナノメートルの分解能で形成することが可能であることを明らかにした。さらに、電磁場解析により光電場強度分布とフォトマスクの光学特性を検討し、実験結果との比較から、ナノギャップにおける増強された近接場光がフォトレジストの2光子励起を実現し、ナノ空間選択的にレジストの光反応が進行したことを明らかにした。以上の研究達成項目から、平成23年度は研究計画に沿って順調に研究が進展したものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の研究から、近接場露光技術を用いて幅10nm以下のラインパターンを高精度にフォトレジスト基板に転写する技術を明らかにすることに成功した。今後は、非接触露光を実現するために、電磁場解析を行いフォトマスクとレジスト基板との中間層の最適な材料(誘電率)を模索する。液浸露光技術を基本に種々の誘電率を有する水系の溶媒を用いて、電磁場解析を行う予定である。また、近接場リソグラフィーではなく、プラズモン共鳴に基づく散乱光を露光用の光源として高分解能に露光する技術を確立する予定である。
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Research Products
(49 results)
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[Journal Article] Real-time imaging of acoustic rectification2011
Author(s)
S.Danworaphong, T.A.Kelf, O.Matsuda, M.Tomoda, Y.Tanaka, N. Nishiguchi, O.B.Wright, Y.Nishijima, K.Ueno, S.Juodkazis, H.Misawa
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Journal Title
Appl.Phys.Lett
Volume: 99
Pages: 201910-1-3
DOI
Peer Reviewed
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