2011 Fiscal Year Annual Research Report
省エネルギーSiCパワーデバイス製作のための高能率・高精度ウエット加工法の開発
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23686027
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
久保田 章亀 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (80404325)
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Keywords | シリコンカーバイド(SiC) / 超精密加工 / 触媒援用加工 / 化学的加工 |
Research Abstract |
ワイドバンドギャップ半導体であるシリコンカーバイド(Sic)や窒化ガリウム(GaN),ダイヤモンドは,省エネルギー化を実現できる次世代半導体デバイス用材料として注目されている.しかしながら,これらの材料は,高硬度かつ熱的・化学的に極めて安定であるため,その加工が困難であり,加工能率(コスト)・加工精度の両面において技術的課題となっている.この課題を解決するために,本研究では,常温・常圧の溶液環境下における化学反応を効果的に利用した,安全で低コストな新しい加工方法を適用することによって,SiCの高能率・高精度加工を実現することを目的としている. 平成23年度は,本研究全体に必要とされる基礎研究計画として,これまでに実施してきた遷移金属触媒を利用した加工法の高度化により加工能率の改善を実験的に検討した. 1.鉄定盤の表面形態が単結晶SiCの加工能率に及ぼす効果 異なる加工処理を施した鉄定盤を用いて,単結晶SiC基板の加工を試み,鉄定盤の表面形態が単結晶SiC基板の加工能率に及ぼす効果を調査した.その結果,鉄定盤の加工処理の仕方によって約22%加工能率を向上させることに成功した. 2.酸化セリウム微粒子の導入が単結晶SiCの加工能率に及ぼす効果 提案手法に,酸化セリウム微粒子(CeO_2)等の酸化物微粒子を加工中に導入し,加工能率向上を目指した実験を行った結果,加工能率を約40%向上させることに成功した.今後,被表面積や粒径の異なる数種類のセリア微粒子を用いて,さらなる加工能率向上,表面精度に関する評価を実験的に行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで提案する手法を高度化することにより,加工能率の向上の可能性を実験的に明らかにした.
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Strategy for Future Research Activity |
SiC基板の加工能率のさらなる向上を目指した実験的検討として,加工プロセス中に紫外光を導入した手法の開発を行う.本研究では,簡易型の紫外光支援加工装置を設計・試作し,加工能率向上の可能性を明らかにする.
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Research Products
(3 results)