2012 Fiscal Year Annual Research Report
省エネルギーSiCパワーデバイス製作のための高能率・高精度ウエット加工法の開発
Project/Area Number |
23686027
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
久保田 章亀 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (80404325)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 精密研磨 / シリコンカーバイド / 先端機能デバイス / 超精密加工 |
Research Abstract |
ワイドバンドギャップ半導体であるシリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN),ダイヤモンドは,省エネルギー化を実現できる次世代半導体デバイス用材料として注目されている.しかしながら,これらの材料は,高硬度かつ熱的・化学的に極めて安定であるため,その加工が困難であり,加工能率(コスト)・加工精度の両面において技術的課題となっている. この課題を解決するために,本研究では,常温・常圧の溶液環境下における化学反応を効果的に利用した,安全で低コストな新しい加工方法を適用することによって,SiCの高能率・高精度加工を実現することを目的としている. 今年度は,溶媒中において,鉄製小径工具を用いてSiC基板表面の加工を試みた.その結果,加工能率は低いものの,工具通過領域では,前加工表面上に存在していた無数の研磨痕が完全に除去され,表面粗さの大幅な改善がみられた.さらに,紫外光を活用することによって,加工能率向上の可能性を基礎実験によって見出すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型加工装置の設計・試作が若干遅れているものの,加工能率向上に向けた基礎データが得られつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
溶媒中あるいは大気中において,紫外光を照射しながら加工できる紫外光援用加工装置を設計・試作し,紫外光の波長帯域や強度が加工能率に及ぼす影響を明らかにするとともに,溶媒温度の制御を通じた加工能率の向上効果を検討する.また,溶媒濃度と加工速度の関係,加工時間と表面粗さの関係,押し付け圧力と加工速度,表面粗さの関係などの加工パラメータと加工特性の関係を調査する.
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Research Products
(3 results)