2011 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟構造体と気液界面を含む固気液三相の熱流体数値解析
Project/Area Number |
23686030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹内 伸太郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50372628)
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Keywords | 流体工学 / 数値流体力学 / 流体構造連成 / 固液混相流 / 熱物質輸送 |
Research Abstract |
工業分野や生体内でみられる異媒質界面を有する流れ場では、異媒質面の変形および熱の授受は系全体の流動に本質的な役割を果たすが、それらを含めた三相熱流動の解析手法は未確立である。本研究課題では、固体の内部応力・温度分布、混相界面現象を統合した三相流の直接解析手法を開発し、界面現象から(分散相)群挙動までの流れのマルチスケール性について研究する。また生体を模擬した柔軟な壁を持つ管路における熱流体問題へ適用し、構造物の接触や組織表面の濡れ性など含め、力学を総合した生体問題解析へ発展させる。 平成23年度は、分散性二相流(固液混相流)中の固体表面熱流束が分散相の挙動に与える影響に着目して研究を進めてきた。界面熱流束を効率よく取り扱う手法を提案し、独自の検証問題を設定して高精度解析手法であることを確認した。その手法を用いて粒子混合や系の熱伝達に着目した相転移現象の解析を進め、そこから粒子懸濁流とスラリー流れの流動遷移における粒子レベルの現象と系全体にわたる現象について調査し、熱伝導率や粒子添加量がマルチスケール性及ぼす影響について考察した。 また、可変形物体と流体の相互作用を解析する手法を応用し、生体を模擬した弾性流路における振動・脈動流解析を行なった。弾性流路において、流れが誘起する弾性物体の自励振動および弾性流路(形状)へのフィードバックに着目し、系の非線形性が固有振動に与える影響について考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に実施予定であった(1)変形固体を含む流れ、(2)温度場を考慮した混相流、(3)可能変形物体の流体潤滑、(4)変形固体界面の濡れ性、の四点のうち、(1)(2)は順調である。(3)は新規手法を複数提案してその検証および実装段階にあり、各手法の限界および最適な適用範囲を模索している。(4)に限っては移動固体境界での条件について引き続き検討を要する。また、本来は2年目以降に実施予定であった生体力学への応用も順次進めており、安定した結果を得つつある。
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Strategy for Future Research Activity |
要素技術として、弾性構造物(粒子)と気柑液相の相互作用解析手法の開発の後、温度場を考慮した手法へ発展させる。また界面での応力マッチングにより構造物の熱流体潤滑モデルを提案する。 本研究では、大多数の粒子群が存在する流れ場において、温度場のカップリングを実装し、内部温度勾配を考慮した粒子群による群挙動の大規模数値解析を実施する。とくに熱伝導率・粒子体積率、粒子表面性状や変形能を変化させた際に起きる流れの相転移について、流れ場のマルチスケール性に着目してモデル化を行なう。 生体組織あるいは人工組織を模擬した弾性流路において、生体流れと流路の固有状態の遷移問題に取り組むと同時に、流れと流路の相互作用に着目した制御則の適用を試みる。
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Research Products
(8 results)