2013 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光エネルギーの利用効率向上を実現する新規な光アップコンバーターの創製
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23686035
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 陽一 東京工業大学, グローバルエッジ研究院, テニュア・トラック助教 (80526442)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 光アップコンバージョン / 太陽光エネルギー高効率利用 / 光波長変換 / 分子スケール輸送現象 / スピン三重項 / 三重項-三重項消滅 / イオン液体 |
Research Abstract |
H25年度の交付申請書においては以下2項目を研究実施計画に挙げた.以下,それらの要旨を【 】内に再記し,今年度の研究実績を記載する. ■項目1 再記(要旨)【「三重項-三重項消滅」という光物理現象に関して抱いている仮説が立証できれば,学術的意義が大きいだけでなく,太陽光エネルギー高効率利用を行う光アップコンバージョン(以下,UC)において効率向上の指針獲得につながり,工学的意義も大きい.本検証には高額な計測システムを要し,これを自前で行うにはH.25年度の交付額(直接経費80万円)では不足である.従って,共同研究などでこれを実施する可能性を,少なくとも現時点では検討している.】 ■研究実績: 今年度,当該計測システムを保有する共同研究先を見つけることはできず,具体的検証は行えなかった.本年度はその予備段階として,装置システムの設計検討を実施した. ■項目2 再記(要旨)【多数種類のイオン液体を用いて効率向上の探索を実施し,メカニズム解明に向けた系統的知見を積み重ねてゆく.本項目は,帰納的なメカニズム解明の土台となる可能性があるだけでなく,実際的な高効率化の探索としても重要な項目である.】 ■研究実績: 今年度は,精製を行い純度を上げたイオン液体14種類を用い,昨年度から信頼性を格段に改善した試料を作製し,それらの系統的計測を通じ,明確な「イオン液体粘度とUC量子効率(ΦUC)との相関」を得た.これにより仮説の基礎が一層健全なものとなった.また,この探索から,ΦUC = 15%という赤→青のUCに関して知る限り現在世界最高のUC効率を達成した.さらに,発光分子のスピン三重項状態寿命もイオン液体粘度に強く相関することを発見し,独自のモデル構築を行い,そのメカニズム提案を行った.これらの今年度得られた成果は,いずれも新規性が極めて高いものであり,現在成果公表に向けて論文執筆を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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