2011 Fiscal Year Annual Research Report
複雑数理工学が拓く燃焼不安定の非線形ダイナミックスの解明と工学的応用
Project/Area Number |
23686037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
後藤田 浩 立命館大学, 理工学部, 准教授 (00434712)
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Keywords | 燃焼 / 非線形力学 |
Research Abstract |
燃焼は流動,熱.物質拡散,化学反応が相互に作用し合う複雑な非線形現象であることから,複雑に変動する燃焼不安定の非線形ダイナミックスを明らかにしていくことは重要な研究課題の一つである.特に,近年体系化が著しく進んでいる非線形動力学の視点から燃焼不安定の非線形ダイナミックスを明らかにしていくことは,基礎燃焼分野の新たな展開を切り開いていくだけでなく,高度化する燃焼器の最適な設計.制御の開発にも大きく寄与すると思われる.このような視点に立って,本研究は工学的・工業的に重要な低NOx型の希薄予混合ガスタ-ビンモデル燃焼器で生じる燃焼不安定(希薄吹き消えや振動燃焼)を対象に,燃焼不安定の非線形ダイナミックスを解明することを目的とする.また,抽出された燃焼不安定の決定論的な特徴に基づいて,燃焼不安定の予測・制御の可能性を明らかにすることも目的とする. 本年度では,位相空間内の軌道群の平行度を定量化する並進誤差法を用いて,希薄予混合ガスタ-ビンモデル燃焼器で発生する振動燃焼の圧力変動から決定論的な特徴を抽出し,抽出された決定論的な特徴に基づいて圧力変動の短期的な予測を行った(13.研究発表雑誌論文).また,位相空間内の軌道群のデ-タベースを順次更新させた並進誤差法を希薄吹き消え付近の圧力変動に適用し,希薄吹き消えをリアルタイムに検知できる新しい検知システムを提案した(14.研究成果による産業財産権の出願・取得状況).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非線形動力学論に基づく時系列解析によって燃焼不安定の圧力変動から決定論的な特徴を抽出し,振動燃焼を短期的に予測できることが可能となった.また,希薄吹き消えを事前に検知できる新しい燃焼診断法を提案した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,圧力変動の短期予測の可能性を明らかにしたが,研究計画に記載されている動径基底関数ネットワークを用いた圧力変動の短期予測の可能性を明らかにする必要がある.また,燃焼不安定の発生メカニズムを解明する必要がある.
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