2011 Fiscal Year Annual Research Report
超重要構造物の地震動挙動予測を自動的に高精度・高分解能化するシステムの開発
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23686065
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市村 強 東京大学, 地震研究所, 准教授 (20333833)
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Keywords | 地震応答解析 / 断層-構造物系 |
Research Abstract |
断層から構造物までを含む3次元モデルを構築し,大地震時の構造物の挙動推定を高精度かつ高分解能化する手法の開発と3次元モデル自体の性能を向上するためのインバージョン手法の開発を行っている. 東京近傍を対象として,断層から構造物までを含む3次元モデルを構築し,シナリオ地震に対する構造物の挙動推定を行った.低分解能(低周波成分)ではあるものの,地殻構造,地盤構造,複雑形状の対象構造物の地震応答は複雑となることが示されたことから,3次元モデルを用いた解析の有効性が示された. 有限要素法用の3次元モデルの自動構築手法を整備し,多数の摂動を受けたモデルを多数構築可能としたことにより,インバージョンを可能とした.具体的には,低分解能(低周波成分)を対象としてはいるものの,ではあるものの200万自由度程度の二層の3次元有限要素モデルを高速に自動構築し,これを用いたフォワード計算を100回程度繰り返すことにより,3次元モデルの性能を向上させることに成功している. 当初は小領域の地殻モデルを用いた解析を行う予定であったが,東日本大震災後の検討により大領域地殻モデルを用いた解析も必要と判明した.よって本課題で用いる解析手法の高度化が必要となった(具体的には,極低頻度巨大地震の検討のため,日本列島モデルをも考慮可能なように,解析可能問題規模の大型化及びインバージョンが適用可能なように手法の拡張を行う必要が生じた).これらのへ対応も含めて研究をすすめている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載の通り,概ね順調に進展していると考えている.また,研究成果をより良くするための追加検討についても順調に検討がすすんでいる.成果の公表についても順調と考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
より良い成果を残すために,追加検討を行いつつも,迅速に研究をすすめるとともに,成果の公表も行っていく.
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