2011 Fiscal Year Annual Research Report
水中設置型栄養塩モニタリングシステムによる内湾物質循環の解明
Project/Area Number |
23686069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鯉渕 幸生 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (60349800)
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Keywords | 栄養塩 / 自動連続モニタリング / 物質循環 / 東京湾 / 水環境 / 窒素 / リン |
Research Abstract |
本研究では、新たな水中設置型の小型栄養塩測定システムを開発し、栄養塩を高い頻度で連続測定することを可能にし、これを流速や水質のモニタリングシステムと組み合わせて運用することで、河川からの急激な栄養塩の流入過程や底泥からの栄養塩の溶出を明らかにし、内湾の水質変動と栄養塩の変動メカニズムを解明して、東京湾のような内湾における栄養塩循環を明らかにすることを目的としている。詳細な栄養塩フラックスの定量化のために、開発した栄養塩測定システムを東京湾の台場保安部桟橋に設置して、現在も沿岸域のモニタリングを継続中である。 現地計測においては、降雨時のイベント的な輸送を捉えるために、1時間間隔で、モニタリングを実施した。測定項目は、HADCPを用いた流速・音波強度によるSS推定、これらを補うため、YSI6600等により、クロロフィル蛍光・濁度・DO・水温・塩分等を測定した。 また、それらを補足するために2週間に一回程度の観測を年間数回行い、濁度や栄養塩の関係式を作成した。観測は現在も継続中である、昨年度は3月11日の津波により観測機器が被害を受け、復旧に時間を要したものの現在は完全に復旧しデータの蓄積を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に発生した東日本大震災にともなう津波により、台場の観測システムが大きな被害を受け、復旧に時間を要したこと、同時に発生した放射性物質への危惧から海外からのポスドク招集が急遽キャンセルされたことなどから、遅延が見られるが、既にシステムは回復しており、今後は成果が期待できる
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の地震により観測機器に被害を受けたが既に修復しており、これにより計画を遂行する予定である。
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