2011 Fiscal Year Annual Research Report
ドライブレコーダデータによる錯綜状況の定量的類型化と運転安全性の客観的評価
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23686073
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Research Institution | Japan Automobile Research Institute |
Principal Investigator |
今長 久 一般財団法人日本自動車研究所, 安全研究部・衝突安全グループ, 研究員 (90384734)
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Keywords | 交通安全 / ドライブレコーダ |
Research Abstract |
本研究の目的である連続記録型ドライブレコーダを用いた運転安全性の評価法の開発に関連して,本年度は当初の計画に基づきデータの分析に利用する実道路上での運転データの入手およびデータの加工方法の検討を実施した.データは,東京都内に営業所をもつ事業者に協力を要請して営業所の全車両のイベント記録型ドライブレコーダの映像および,一台の車両に設置させてもらった連続記録型ドライブレコーダの映像を概ね3ヶ月間にわたり撮影した.前者のデータは運転の安全性の評価の基準となる潜在的危険度分布の作成に利用する.後者は実際に運転の安全性を評価するためのデータである.データの入手が終了しているため,今年度以降実際の分析の実施が可能な状態である.また,連続記録型ドライブレコーダのデータは基本的に映像データであるため実際にはこの中から分析に利用する各変数の発生有無を計測する必要がある.このデータの計測のマニュアルについても今年度実施した. また,本研究に関連する国内外の研究の動向調査を実施した.国内では,現在普及しているイベント記録型ドライブレコーダを利用した教育等の活用方法の動向等を調査した.いずれの研究もどのような事例が発生しているかを把握することに力点が置かれており,その頻度を客観的に評価する本研究の目的は新しい知見を与えられる可能性があると考える.また,海外においては,米国および欧州の動向を調査した.特に,米国における研究は,イベント記録型ドライブレコーダを前提に議論している点は異なるものの運転における危険の発生頻度を客観化して評価しようとするコンセプトは比較的本研究に近いことがわかった.引き続きレビューをする予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においては,実際のデータの入手および映像の分析の2点が労力面で見た場合の研究の進捗にかかわる大きな課題である.本年度は前者に注力した計画を立てていたが,協力者の確保をし実際に想定した分量のデータを確保できた点でほぼ目標を達成したといえる.また,外国の調査についても欧米両方の概要を計画を前倒しして把握することができている点も評価できると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,当初計画通り昨年度収集したデータの分析を中心に進めてゆく予定である.ただし,当初想定した以上の分量のデータを収集できたため,目標達成に必要な分量のデータの数を見極めてから全体の分析を実施する.
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Research Products
(1 results)