2012 Fiscal Year Annual Research Report
ドライブレコーダデータによる錯綜状況の定量的類型化と運転安全性の客観的評価
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23686073
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Research Institution | Japan Automobile Research Institute |
Principal Investigator |
今長 久 一般財団法人日本自動車研究所, その他部局等, 研究員 (90384734)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 交通事故 / ニアミス / ドライブレコーダ |
Research Abstract |
平成24年度は,前年度取得した実道路上での運転時イベント記録型および連続記録型ドライブレコーダデータの数値データ化および分析と事故データとの関連性を分析するための準備を実施した. ドライブレコーダのデータは基本的には映像であるため,分析のためには数値データにする必要がある.まず,イベント記録データについては,約50万件の記録されたデータから研究で必要な事故およびニアミスデータを抽出(約2000件)し,それらを研究で利用する分析フォーマットに分類した.さらにそれらのデータの分析を行い,運転手により発生するニアミスに傾向があること等を確認した. また,連続記録型ドライブレコーダデータの方も,分析のために,1週間分のデータを基本的には交差点部と単路部で構成されるセグメント単位に分解し,各時点の道路環境(車線数や周辺からの車両発生の可能性),交通環境(自車線車両や対抗車線車両の存在の有無),自車の走行状態(右左折や車線変更など),を持つ数値データに変換した.さらに,本研究の目的である上記両データを用いた運転安全性の評価方法を作成し,具体的にデータを用いて結果を示した. 一方で,今後ニアミスデータを用いた分析を展開してゆくためには,事故とニアミスの関係性を分析してゆくことが不可欠である.事故データについては,死亡事故件数および負傷事故件数については統計があるものの,それらとニアミスとの中間的存在である物損事故件数についての情報が得られないため,保険支払い実績データを用いて物損事故件数の推計を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施事項自体は概ね完了している.ただし,最終的なアウトプットである運転安全性の評価方法が具体的にどのように役に立つのかを明確にすることが重要であると考えるが,その点を明確にできていない点が課題である.この点は当初より2年目および3年目で実施することとしていたものであるが,周囲との情報交換等をもう少し実施すべきであると感じている.
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Strategy for Future Research Activity |
最も時間と労力を要する映像のデータ化については既に終えているため,平成25年度は研究結果がより社会で活用されるようにアウトプットを魅力的なものにするための見せ方を中心に検討する. また,本研究テーマにおいては,映像分析の自動化はとても重要な要素であるため,この可能性を検討する.
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Research Products
(1 results)