2011 Fiscal Year Annual Research Report
日射および建築外皮の分光特性を考慮した実用的な日射熱・昼光計算モデルの構築
Project/Area Number |
23686082
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 雅之 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (00408709)
|
Keywords | 分光特性 / 近赤外 / 色温度 / ファサード / 日射 |
Research Abstract |
本研究は,太陽光の分光分布と開口部建材の分光特性を考慮した,熱負荷および室内光環境の実用的な計算手法の確立を目的としている.日射熱については紫外可視光域(380~780nm)と近赤外域(780nm~)の2 波長帯によって,太陽光については色温度によって簡易的な分光モデル構築を行うものである. 本年度までは,直達と拡散成分に分けて観測した分光日射量,日射量,照度のデータおよび,Birdモデルおよび曇天時日射実測値をベースにした,分光日射量の予測およびその精度検証を行った. これらの気象データは,東京都内の障害物等による影響のない観測場所において長期的に連続的に測定を行った.計測機器は全天分光日射計,全天日射計,全天照度計をそれぞれ複数と,直達・拡散成分の分離計測用の可動式遮蔽装置ないし直射日光自動追尾装置を組み合わせたものを用いた.計測時間間隔は分光日射は10分,その他は1分間隔で観測している. ここで,分光日射量のモデル化を行うにあたり,実用性の高い手法とするため,計算負荷の小さい簡易なBIRDモデルをベースとすることにした.まず,汎用的である日射量の観測値から晴天指数を求め,BIRDモデルで算出される晴天時日射量を減ずる形で直達・拡散の分光成分を推定し,曇天分を実測値の曇天時全天分光日射量による成分として推定する.その結果,晴天日だけでなく中間天空などにおいても比較的精度良く分光日射量を再現できることがわかった.これを基盤にして日射の簡易モデル化を進めることとする.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分光日射計・追尾装置に関する部品供給が節電対策等の影響によって不足した結果,当初予定していた時期に計器を入手することができなくなった.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究協力者(東京理科大学大学院生)との研究打ち合わせを月1回程度実施して,研究の進捗を管理して進めてきており,今後もそのように実施していく予定であった.やや遅れている状況を打開するため,今後の研究打ち合わせ実施を月2~3回程度に増やし,連携度を高め,本研究の目的を達せられるように研究計画・実施計画を見直すこととする.
|
Research Products
(3 results)