2012 Fiscal Year Annual Research Report
日射および建築外皮の分光特性を考慮した実用的な日射熱・昼光計算モデルの構築
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23686082
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 雅之 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (00408709)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 分光特性 / 近赤外 / 色温度 / ファサード / 日射 |
Research Abstract |
前年度までは,長期観測した分光日射量および日射・照度データに基づいて,比較的簡易に分光日射量を予測する手法を検討してきた.最終的には波長帯による分光日射のモデル化を目指すものであるが,本年度はこのようなモデルを既存の年間熱負荷計算へ適用することによる影響について,分光日射量による室内光の色温度の年間変動を検討した. 検討にあたり,宇田川が開発したHLOADという非定常熱負荷計算プログラムを基盤として,自然光および人工光による室内照度分布および自然光利用による照明電力削減効果を算出するとともに,ガラスやブラインドの分光特性,および日射の分光特性を考慮できるように独自に改良を施したプログラムを作成した.入力データとしては,熱負荷計算に用いられる基本的なデータに加えて,本研究で得た窓まわり材料の分光データおよび分光日射データを用いている. 従来は,波長選択性の高いLow-Eガラスが高い可視光透過率と日射遮蔽性能を両立するため,自然光利用による省エネルギー性が最も高い窓仕様であるとされてきた.そこで,本検討では更に室内光環境に色温度の変化を評価項目として加えることとした.その結果,波長選択性能が高いだけでなく,自然光の状態を保持しながら室内に導入可能な窓において,室内照度の色温度変化が屋外と同様な状態とすることが可能となり,より人間の心身の健康に寄与しうる仕様として評価できることを示した. 以上によって,簡易モデル化前の状態として,本研究の意義および位置づけを明確に示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベースとなる屋外日射観測が遅れていたが,分析については概ね完了するとともに,精算法の状態での既存計算体系に対する優位性を明快に示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度となるので,研究協力者である東京理科大学大学院生との連携を密にして,再度研究計画・項目について整理検討する.
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Research Products
(1 results)