2011 Fiscal Year Annual Research Report
コンプレッサー特性の同定試験によるヒートポンプ暖冷房の実働性能計測法の確立
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23686085
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
三浦 尚志 国土技術政策総合研究所, 住宅研究部, 主任研究官 (40414966)
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Keywords | ヒートポンプ / 能力推定 / 冷媒エンタルピー法 / 冷媒流量推定 / 圧縮機特性 / 冷媒流量計測装置 |
Research Abstract |
本研究において、ヒートポンプ暖冷房の能力を冷媒側の熱収支から推定する冷媒エンタルピー法を開発する。冷媒エンタルピー法は圧縮機の回転数と圧縮機の入口および出口の冷媒温度等から冷媒流量を推定する方法(冷媒流量推定法)と、冷媒流量推定法から求めた冷媒流量および熱交換器入口と出口の冷媒温度から暖冷房出力を推定する方法(暖冷房出力推定法)によって構成される。 本年度は冷媒流量推定法を開発することを目的として、室内側と室外側の温湿度条件を再現するための2つの人工気候室内にルームエアコンディショナーを設置し、冷媒流量を推定する方法が正しいかどうかを検証するための冷媒流量計測装置を製作した。具体的には、凝縮器と膨張弁の間に冷媒流量計(コリオリ流量計)を設置し、流量および冷媒の状態(温度・圧力)を計測するセンサを取り付けた。製作した冷媒流量計測装置の試運転を行い、暖房条件および冷房条件における流量計測を実施した。 流量計測は問題無く実施できたが、冷媒流量計測装置自身の圧力損失が高く、冷媒温度から推定したモリエル線図の検討結果から、通常の運転よりも高圧側冷媒の圧力が高くなっていること、膨張弁の開度が大きいことなどが指摘でき、計測装置の改良を行った。 計測装置の改良を行うと伴に、圧縮機の仕様(吐出量など)や圧縮機回転数、圧縮機周りの冷媒状態を入力として、冷媒流量を予測する方法を開発した。圧縮機の消費電力を別途計測するとともに、高圧側の冷媒温度等からある程度、圧縮機効率を予測できる可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り、冷媒流量計測装置を製作し、試運転を行い、冷媒流量が計測できることが確認された。また、そこから得られた測定データを用いて、冷媒流量の推定ができる可能性を示した。ただし、冷媒流量計測装置の圧力損失が想定よりも大きく、装置をより圧力損失の小さいものに作り直したため、「(3)やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は昨年度作成した冷媒流量計測装置を活用し、引き続き、冷媒流量推定法を開発することを目的として、室内側と室外側の温湿度条件を再現するための2つの人工気候室内にルームエアコンディショナーを設置して実験する。また、年度の後半において、熱交換器前後の冷媒エンタルピーを予測する手法を開発する。
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Research Products
(1 results)