2012 Fiscal Year Annual Research Report
コンプレッサー特性の同定試験によるヒートポンプ暖冷房の実働性能計測法の確立
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23686085
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
三浦 尚志 国土技術政策総合研究所, 住宅研究部, 主任研究官 (40414966)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ルームエアコンディショナー / ヒートポンプ / 現場実測 / 冷媒 |
Research Abstract |
本研究では、ヒートポンプ暖冷房の能力を冷媒側の熱収支から推定する冷媒エンタルピー法を開発している。本方法は圧縮機の回転数等から冷媒流量を推定する方法(冷媒流量推定法)と、冷媒流量推定法から求めた冷媒流量および熱交換器入口と出口の冷媒温度から暖冷房出力を推定する方法(暖冷房出力推定法)によって構成される。 昨年度、ルームエアコンディショナーを対象とした人口気候室内に製作した冷媒流量推定法を検証するための冷媒流量計測装置を用いて、JISの定格条件に基づく暖房及び冷房運転条件において冷媒流量を計測した。その際、冷媒の流れの状況を可視化する装置や温度・圧力等の計測装置が要因で冷媒流量計測装置自体の圧力損失が大きく、通常の運転と比較して冷凍サイクルの状態が異なってしまうという昨年度課題となっていた問題を解決するために、より実働状態(実際の運転に近い圧縮機と膨張弁の制御)で計測できるように測定装置の改良を行った。 改良した本装置を用いて、室内側及び室外側の温湿度、暖冷房負荷等の運転条件をさまざまに変化させて、その場合の冷媒の圧力と流量の関係について検討した。検討の結果、運転条件及びそれに起因する冷媒状態によって冷媒の流量計の計測精度が著しく悪化することが分かり、それらを解決するための次年度に向けた課題抽出を行った。 また、次年度にはルームエアコンの能力測定のためのフィールド実験を予定しており、計測サイトの選定及び次年度の夏期の冷房実測の計画をたてた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度製作・改良した冷媒流量計測装置を用いて様々な運転条件における冷媒流量の測定と予測式の適用を行った。冷媒の状況によっては冷媒流量計測の精度が著しく低下することが見て取れたため、今後、予測方法の修正を行う。そのため、「(3)やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度、ルームエアコンディショナーの夏期及び冬期の実測を計画している。加えて、本年度の冷媒流量計測の精度の検討結果より明らかとなった課題に対応するために、別途、圧縮機単体の流量計測を行う予定である。
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