2011 Fiscal Year Annual Research Report
単層カーボンナノチューブ薄膜を使用した高性能リチウムイオンキャパシタ正極の開発
Project/Area Number |
23686092
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 義倫 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (30374995)
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Keywords | 表面・界面物性 / 単層カーボンナノチューブ / 蓄電池 / リチウムイオンキャパシタ / 電気二重層 |
Research Abstract |
リチウムイオンキャパシタ(lithium ion capacitors: LICs)は電気二重層キャパシタ(electric double layeredcapacitors: EDLCs)の原理を使いながら、負極材料としてLiイオン吸蔵させたグラファイトを使い、エネルギー密度を向上させたキャパシタである。正極と負極とで充放電の原理が異なり、Liイオン二次電池の負極とEDLCsの正極を組み合わせた構造を持っている。特徴は、1.セル電圧と負極の静電容量が増加するため、従来のEDLCsと比較してエネルギー密度で優れること、2.従来のキャパシタの電圧は2.5Vから3Vだが、Liイオンをあらかじめ負極にドープすることによって4Vまで上昇する、3.セル内のエネルギーは電圧の2乗に比例するため、この電圧上昇分により、エネルギーが大きく向上、4.Liをプレドープされた負極は、EDLCsでの活性炭と比べて数十倍程度の静電容量を保有する、など挙げられる。しかし、現状のLICsは正極として活性炭を使用しているため、高電流放電時では出力特性が悪く、Liイオン二次電池と変わらない。そこで、電力貯蓄、電気自動車に適応できる大容量・高出力・長寿命化の電池開発を目指し、本研究では、化学修飾表面を持つ高結晶性単層カーボンナノチューブ薄膜を正極に用いた高容量・高出力・高動作電圧・長寿命の高性能リチウムイオンキャパシタの開発を目的とする。 平成23年度は、高結晶性SWCNTのアミン化とそのキャラクタリーゼーションを行った。高結晶性SWCNTsはアーク放電法により合成・精製し、真空中1200℃で3時間熱処理して高結晶化した。アミン基は高結晶性SWCNTsをフッ素化した後、エチレンジアミンを窒素雰囲気下で70℃の還流で行った。アミン化SWCNTsは吸引ろ過により薄膜化し、膜厚はSWCNTの質量で調整した。得られた試料は、表面形状評価、チューブ表面構造評価、薄膜強度、電気導電率、比表面積、かさ密度、化学修飾度を測定し、材料評価した。化学修飾度は、不活性ガス中におけるサンプルの熱処理により、減少した分をSWCNTsの炭素のみの質量百分率で規格化し、同時に熱分解される官能基を質量分析し、官能基の定性測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災による既存の装置・実験設備が壊れ、研究できる環境を整えるのに時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
単セルLICsにおける充放電特性、高温電圧負荷試験、および正極の表面状態のキャラクタリーゼーション LICsの単セルは、銅薄膜にLiをあらかじめドープしたグラファイトを接着させた負極(縦60mm×横25mm)と、銅薄膜に高結晶性化学修飾SWCNT薄膜を接着させた正極(縦60mm×横25mm)、セパレータ、有機系電解質(LiPF6/PC)、Alラミネートフィルムで構成されている(作製はグローブボックスで行う)。充放電特性は定電流放電法とCV法の両方で測定する。容量は放電時間より算出し、内部抵抗はIRドロップで算出する。高温電圧負荷試験は、セルを恒温槽60℃に保ち、電圧を1.6~4.4Vまで印加して評価する。 試験後の正極の表面は、グローブボックス内でLICセルを解体し、正極を取り出し、溶媒でよく洗浄する。表面形状評価(走査型電子顕微鏡)、チューブ表面構造評価(透過型電子顕微鏡-X線蛍光分析、ラマン散乱分光)、Liイオンの局所構造状態評価(X線光電子分光、in-situ XRD、Li-NMR)により、正極表面の評価を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Influence of the structure of the nanotube on the mechanical properties of binder-free multi-walled carbon nanotube solids2012
Author(s)
Y. Sato, H. Nishizaka, S. Sawano, A. Yoshinaka, K. Hirano, S. Hashiguchi, T. Arie, S. Akita, G. Yamamoto, T. Hashida, H. Kimura, K. Motomiya, K. Tohji
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Journal Title
Carbon
Volume: 50
Pages: 34-39
DOI
Peer Reviewed
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